地域の困り事に対応

公明新聞:2017年3月21日(火)付

ダブルケアなど支える仕組み構築を支援
政府、100カ所でモデル事業

厚生労働省は、地域住民が互いに支え合う「地域共生社会」の構築に向け、住民らが主体的に地域のさまざまな“困り事”を受け止め、行政などと連携しながら対応する仕組みづくりを、全国100カ所程度で実施する。こうした取り組みをモデル事業として支援するため、2017年度予算案に20億円を計上した。

現在、国民生活の現場では、独り暮らしの高齢者の貧困や、介護と育児を同時に担う「ダブルケア」などのように、“制度の狭間”に置かれて一人で困難を抱え込んでしまうケースが続出している。今回のモデル事業は、そうした困り事に住民らが積極的に関わり、解決を試みる地域の創意工夫を後押しする狙いだ。

先駆的に取り組む大阪府豊中市では、小学校区単位に「福祉なんでも相談窓口」を設置し、地域ボランティアが中心となって相談に応じている。こうした地域の課題をワンストップ(1カ所)で受け止める場として同省は、地域住民のボランティアや社会福祉法人、地域包括支援センター、NPO法人などの担い手を想定する。

「地域共生社会」構築に向けて同省はさらに、必要な法制度の整備を進めるとともに、今回のモデル事業の成果などを生かしながら、20年代初めまでに全国各地域での取り組みを展開させていく方針だ。

「共生社会」へ国と地方で連携

公明党地域共生社会推進本部事務局長 中川 康洋 衆院議員

地域共生社会は、公的支援のあり方を、従来の“縦割り”から、より身近な地域の中で総合的な支援を提供していく“丸ごと”へと転換するものだ。公明党としても国と地方で連携し、地域共生社会の実現に向けて推進していく。

今回、その具体化への取り組みとして、住民が主体的に“我が事”として地域課題を把握し、解決を試みる『我が事・丸ごと』の地域づくりを国が支援するモデル事業が始まることは大きな前進だ。各自治体で活用してもらえるよう取り組みたい。

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