「ブラックバイト」の現状

公明新聞:2017年2月25日(土)付

NPO法人「POSSE」
今野晴貴 代表の講演から(要旨)
低処遇と違法行為が横行
過剰な戦力化 学生の無知に付け込む

17日の公明党青年委員会の会合では、若者の格差・労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」の今野晴貴代表が「ブラックバイト」の実態などについて講演した。要旨を紹介する。

今、私たちの団体には学生アルバイトに関する相談が年間1000件以上、寄せられている。そこから浮かび上がってきた実態を踏まえ、「ブラックバイト」とは「学生であることを尊重しないアルバイト」と定義付けている。

その実態は、学生がバイト先であまりにも戦力として重視される「過剰な戦力化」によって、就職活動も含めた学生生活との両立が困難になるケースが続出していることに加え、「低処遇と違法行為の横行」もまん延している。いずれも事業者側が学生の無知や判断力の乏しさに付け込んで「社会ではこのくらいやって当たり前」などと思い込ませていることが多い。

あるコンビニの例を挙げる。学生が勤務できるのは週2日までで、就職活動の際はシフトを配慮してほしいと打診したところ、店長が「大丈夫だ」と約束してくれたのでバイトを始めた。ところが、就職活動のためシフトの調整を頼んでも、なかなか配慮してもらえず、ようやく要望を聞き入れてもらえても、代わりに週3回の勤務を頼まれた。労働環境も劣悪で、人手不足を理由に、夜勤を一人だけで担わされ、勤務中はほとんど休憩が取れなかった。

就職活動に支障を来すため退職を申し出ると、「雇用契約違反だ。損害賠償を請求する」と脅迫され、精神的な疾患に追い込まれた。最初の面接後に渡された契約書に1年以内は「自己都合で退職はできない」と書かれていたからだった。

こうした状況は他の業種でも見られる。要因として、業務のマニュアル化で誰もが簡単に仕事が担えるようになってしまうことや、低賃金・少人数での長時間営業によって利益を出そうとする体質などが挙げられる。

ブラックバイトの多い業界では正社員も、募集時に示された月給に残業代が含まれていたり、残業代の支給が不要な管理監督者の扱いにされているケースなど違法行為と見られる事例が多い。サービス業全般に劣悪な労務管理が広がっている。

こうしたあまりにも持続性のない“使い捨て雇用”が前提の産業構造は変えなければならない。何らかの新たな規制が必要だ。

意識啓発や相談体制の充実なども含めて、公明党のさらなる尽力に期待したい。

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