認知症徘徊者 早期発見へ実証実験

公明新聞:2017年2月8日(水)付

中西代表からアプリの説明を受ける粉川、清水、佐藤、中村、高橋の各議員中西代表(中央右)からアプリの説明を受ける(左から)粉川、清水、佐藤、中村、高橋の各議員

スマホで捜索 住民が協力
地域に“見守りの輪”支え合う意識高める
大津市

徘徊する認知症患者の早期発見につなげようと、滋賀県大津市で1月29日、スマートフォン(スマホ)のアプリを活用した見守りシステムの実証実験が行われた。これには、公明党の粉川清美、中村才次郎の両県議、高橋健二、佐藤弘、清水ひとみの各市議が視察した。

実証実験が行われたのは、市北部の仰木の里学区。約4900世帯、1万3000人が暮らす新興住宅街だ。認知症患者とその家族をはじめ、子育て世帯やペットの飼い主など、誰もが安心して暮らせる街づくりを目的に、地域のボランティアグループ「仰木の里 見守りの輪」(中西康文代表)が主催し、約40人のボランティアと住民が参加した。

近距離無線通信「ブルートゥース」を活用したビーコン(小型発信器)使用したアプリは、県内のIT企業「株式会社ナスカ」(井上昌宏代表取締役社長)が開発した「みつけて.net」。アプリを起動しておくと、半径45メートルの範囲で、微弱な電波を発信するビーコン(小型発信器)を検知。アプリ内の地図上に検知した時間と場所が表示される仕組みになっている。あらかじめボランティアと住民には、前日までにスマホにアプリをインストールし、当日はアプリを起動しておいてもらうように協力を呼び掛けた。

この日、午後1時過ぎから行方不明者役の5人がビーコンを身に着け、学区内を徒歩で歩き回った。一方、捜索本部の市民センターには、行方不明者の家族役の住民が待機。約30分後、「一郎さん(行方不明者役)、東1丁目の△×前で検知しました」との情報が入ると、すぐさま現場へ。そこからアプリの地図を駆使して場所を絞り込み、捜索開始から40分後、無事に一郎さんを保護した。

アプリで表示されるマップ画面。検知した時間と場所が表示される一郎さんを発見した西弘喜さんは「少しでも手掛かりがあるだけで、捜す方にとっては強い心の支えになる」と語っていた。

結果として、5人中4人の発見につながった今回の実証実験。中西代表は、手応えとともに「アプリの立ち上げ数をもっと増やして、“網の目”をもっと細かくしないといけない」と今後の課題を挙げた。

実験に協力した仰木の里学区自治連合会の野田幸夫会長は、「この学区は、高齢化が進むエリアと子育て世帯が多いエリアが共存している。だからこそ、地域全体で支え合う仲間意識を高めるきっかけになれば」と、今後の本格運用に向けて期待を寄せていた。

公明も後押し

今回の取り組みについては、大津市が地域の課題解決に取り組む市民団体などを支援するための補助制度「パワーアップ・市民活動応援事業」を活用。中西代表から相談を受けた高橋市議も実施を後押ししてきた。

視察後、議員らは「住民の力とIT技術を掛け合わせ、地域包括ケアシステムの構築へ大きな力になると感じた。このような取り組みが広がるよう、支援していきたい」と話していた。

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