表現する障がい者
公明新聞:2016年11月21日(月)付
かんばらけんたさん(30)の体が、車いすの上で、ふわりと持ち上がった。「二分脊椎症」という生まれつきの障がいがあり、脊椎の神経が腰付近で途切れている。両脚は、か細く、動かない。可能性に挑む全身のエネルギーを上半身に込めて舞う。その迫力に観客も引き込まれていく。
11月11日「介護の日」に合わせて全国各地で、福祉関連イベントが開かれた。東京都内では13日、上智大学で福祉の学園祭「TOKYO SOCIAL FES 2016」(都主催)を開催。多くの演目の中で、障がい者や福祉従事者らのダンスも披露された。
かんばらさんは、システムエンジニアとして働く。1年ほど前からダンスを始め、リオデジャネイロパラリンピック閉会式にも出演。「単純に、見ている人に楽しんでもらいたいから踊るんです」と気負いがない。2020年東京五輪・パラリンピックへの出演にも意欲を燃やす。
このダンスを企画したNPO法人Ubdobeの中浜崇之理事は「『障がいがあるからかわいそう』といったイメージを変え、障がい者の可能性を伝えたい」と語っていた。
2020年パラリンピックへ共生社会の実現を
日本パラリンピアンズ協会副会長 大日方邦子さん
2020年東京五輪・パラリンピックの開催へ向け、障がいのある人の活躍の場が増えることは、とても素敵なことです。
選手ではない一般の障がい者にとって「パラリンピックは自分たちには関係ない」と思われてはいけません。大会イベントの出演者やボランティアなど、参加の機会は数多くあります。
障がい者が社会にいることで、多様な視点が生まれ、人にやさしい共生社会になることを東京大会で示したいですね。
写真:磯田康一 記事:近藤信幸
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