文民の安心高める任務

公明新聞:2016年11月16日(水)付

記者会見で見解を述べる山口代表=15日 国会内記者会見で見解を述べる山口代表=15日 国会内

隊員の安全確保を重視
南スーダンPKO 活動困難なら撤収も
「駆け付け警護」閣議決定で山口代表

公明党の山口那津男代表は15日午前、国会内で記者会見し、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する自衛隊の施設部隊に対し、次期派遣部隊から平和安全法制に基づき「駆け付け警護」などの新任務を付与することが、同日の閣議で決まったことなどについて、大要次のような見解を述べた。

閣議決定のポイント
◎近くで対応できる現地治安機関や国連部隊が存在しない、極めて限定的な場面で、応急的かつ一時的な措置として能力の範囲内で行う
◎邦人や国連職員など文民要員の安全を確保
◎他国の軍人は対象として想定されない
◎PKO参加5原則が満たされていても、活動が困難な場合は撤収


【駆け付け警護】

一、治安状況が変化する中で、NGO職員ら文民を保護するのは本来、受け入れ国やPKOの歩兵部隊の役割だが、応急的、一時的に文民保護のために自衛隊部隊にも要請があり得ることから、新たな任務を加えた。要請を受けて施設部隊ができる範囲で、あまり遠くない場所で活動を行うのは、文民の安心につながる。自衛隊の活動にも安全性が高まる。

一、南スーダン全体の情勢については、政府と共に厳しい認識を持っている。自衛隊が活動する首都ジュバ周辺は、比較的安定している状況だが、自衛隊の安全性を確保できない、国づくりや文民保護といった任務を有意義に続けられない状況が生じたならば、撤収もあり得るという閣議決定だ。今後も政府は現地の情勢を適切に見極め、安全を確保した上で意義のある活動をしてもらいたい。

【コロンビアの地雷除去支援】

一、コロンビア政府と反政府勢力との間で、このほど新たな和平合意ができた。わが国はコロンビアの和平プロセスを一貫して支援する立場だ。コロンビアからは国の広範囲に敷設された対人地雷の除去へ支援が求められていたが、本日の閣議で、これまでの支援を一層力強いものにするため、10億円規模の大型支援を行うことが決まった。

一、和平プロセスを現実に推進するには、わが国として地雷除去や被害者のリハビリ支援などを継続的に行い、プロセスの完結に向けて努力すべきだ。

TPP、アジア太平洋の包括的連携へリード役

【TPP】

一、環太平洋連携協定(TPP)は、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)といったアジア太平洋地域の包括的な連携につながる重要なリード役になる。米国が同地域に関わっていくことには外交、安全保障上の大きな意義があり、米国政府の考え方にもつながる。

一、(日本政府の取り組みについて)早期発効に向けて国会承認を行い、参加国の理解を促していく主導的な役割を果たす責任は大きい。(19日からの)アジア太平洋経済協力会議(APEC)の場や、17日の安倍晋三首相とドナルド・トランプ次期米大統領との会談でも、TPPがFTAAPにつながる重要なモデルを提供する意義に理解を得る努力をしてもらいたい。

【日印原子力協定】

一、かねてからインドからは、原子力の平和利用への協力、支援の要請があった。今回、もしインドが核実験を行った場合は、日本の協力を停止するという趣旨の合意も結んだ。日本政府は、インドが核拡散防止条約(NPT)体制に協力的になるよう働き掛けながら、核廃絶をめざす国にふさわしい運用を行ってもらいたい。

他国の軍人 対象とせず

衆院安保委 佐藤(茂)氏に防衛相が答弁

政府は15日、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に関し、今年3月施行された平和安全法制に基づく新任務「駆け付け警護」を盛り込んだ実施計画の変更を閣議決定した。

「駆け付け警護」は、国連職員やNGO関係者が武装集団や暴徒などに襲われ、その要請を受けた場合、自衛隊員が現地に行き、救出する任務。

派遣命令では、「駆け付け警護」の対象地域を南スーダンの首都・ジュバとその周辺に限定し、対応できる国連部隊が存在しない場面で応急的、一時的な措置として行うとした。

また、実施計画には、紛争当事者間の停戦合意などPKO参加5原則が満たされていても、安全を確保しつつ有意義な活動が困難な場合は「部隊を撤収する」と明記した。

この後開かれた衆院安全保障委員会で公明党の佐藤茂樹氏は、駆け付け警護について、他国の軍人が危機に陥った時に自衛隊が出動するとの一部報道があるが、日本が派遣しているのは道路整備などを行う施設部隊であり、「他国軍人を駆け付け警護することは想定されていないと考える」と述べ、政府の見解を確認した。

これに対し、稲田朋美防衛相は、「他国の軍人は文民と異なり、自分の身は自分で守る能力を有しており、安全確保を他国部隊に要請することはない」と指摘。その上で、「そのようなことがあったとしても一義的には現地の治安機関や国連南スーダン派遣団(UNMISS)の歩兵部隊が対応する。他国の軍人を対象とした駆け付け警護を行う事は想定されない」と答えた。=質疑要旨

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