不妊治療 受ける夫婦を自治体がサポート!

公明新聞:2016年10月13日(木)付

板橋区の制度について石倉保健師と意見を交わす区議会公明党のメンバーら板橋区の制度について石倉保健師(左)と意見を交わす区議会公明党のメンバーら

負担軽減へ独自の助成
仕事との両立を支援

晩婚化を背景に不妊で悩む夫婦は少なくない。不妊治療を受けるなど妊娠・出産をめざす活動は、「妊活」と呼ばれており、それを積極的にサポートする自治体が相次いでいる。不妊治療費への独自助成や、仕事との両立支援の取り組みを紹介する。

特定不妊治療に対する国の助成件数不妊治療のうち、女性が中心に治療を受ける体外受精や顕微授精といった高度な治療は保険適用外だ。費用は体外受精で1回当たり約30万円、顕微授精は約40万円かかるとされ、自己負担は重い。

そこで、国は都道府県などを通じて特定不妊治療(体外受精と顕微授精)への助成を行っており、その助成件数は増加傾向にある。今年1月からは公明党のリードにより、国の助成制度が拡充され、特定不妊治療の場合、初回に限り助成額を最大30万円に倍増したほか、新たに男性の不妊治療費も15万円まで補助するようになった。

こうした国の助成に加え、独自の助成を行う自治体が広がっている。

東京・板橋区 5万円上積み

例えば、東京都板橋区は10月から、区議会公明党の推進もあり、特定不妊治療と男性不妊治療の治療費について、それぞれ最大5万円を補助する独自の事業をスタートさせている。区女性健康支援センターの石倉佳世・保健師は「受け付け開始から10日間余りだが、早速、申請があり、関心は高い。制度のさらなる周知に努めたい」と話す。

神奈川・横須賀市 男性治療に15万円

神奈川県横須賀市も今年度から男性不妊治療に対して、国の助成に15万円まで上乗せする助成制度を導入した。同市こども健康課は「不妊の原因の約半分は男性側にもあるといわれている。夫婦一緒に『妊活』に取り組んでもらうため、男性不妊治療にも力を入れている」と説明する。また市では、妊娠をしても流産を繰り返す不育症の検査費用への助成も開始し、支援の充実をめざしている。

不妊治療は治療期間が長期間に及び、月に何度も通院しなければならないケースが珍しくない。治療のために退職を余儀なくされたり、職場に相談できずに精神的に孤立してしまうこともあり、働く女性にとって仕事と治療の両立は難しいのが現状だ。

三重・津市 休暇制度導入に奨励金

このため両立支援に取り組む自治体もある。三重県津市は昨年6月から、市内の中小企業が不妊治療のための休暇制度を新設したり、実際に従業員が同制度を利用して休暇を取った場合、奨励金を支給する事業を行っている。全国でも珍しい事業で、市議会公明党が推進したものだ。

奨励金額は休暇制度を新設した場合に上限20万円、従業員が休暇を取得した場合に1人当たり20万円(最大3人まで)が企業に支給される。

昨年度は43社が奨励金を受け、このうち3人が不妊治療休暇を取得したという。同市工業振興課は「過去には優秀な従業員が不妊治療のために退職してしまった企業もある。奨励金によって休暇制度の創設を後押ししていきたい」と話す。

一方、栃木県では今年8月、産業保健師や企業の人事担当者らを招いた「企業向け妊活応援セミナー」を開催。不妊治療の現状を知って理解を深めてもらう取り組みを進めている。

企業側の協力が不可欠 NPO法人Fine 松本亜樹子 理事長

日本産科婦人科学会の統計によれば、体外受精などで生まれた出生児数(2014年)は4万7322人に上ります。これは1年間で生まれた新生児の21人に1人が不妊治療で生まれた計算になります。もはや不妊治療で子どもを授かることは特別ではありません。

国や自治体の助成制度によって不妊治療の経済的な負担の軽減策は前進していますが、新たな課題も浮かび上がっています。

例えば、男性にも不妊治療の必要な人が多い実態について、依然として理解が広がっていません。男性の不妊治療への助成開始は、男性側の認識を変える機会であり、さらに取り組みの強化が求められます。

また、不妊治療と仕事の両立に何らかのサポートを行う企業は、私たちNPO法人Fineが行った調査では約6%に過ぎず、企業側の協力を引き出す努力が不可欠です。不妊治療休暇を設ける企業への奨励金制度も含め、支援を充実させていく必要があります。

公明党は不妊治療の支援に熱心に取り組んでくださっている政党だと感じています。さまざまな課題の克服に向け、ぜひ力添えをお願いしたい。

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