「杉並豪雨」から11年 水害対策が前進

公明新聞:2016年9月30日(金)付

調節池の内部を視察する松葉都議ら調節池の内部を視察する松葉都議(左から3人目)ら

善福寺川の調節池稼働
都立公園の地下27メートル 3万5000トン貯留
東京・杉並区

東京都杉並区にある都立公園「善福寺川緑地」の地下に整備された「善福寺川調節池」が、このほど稼働した。洪水に備えて善福寺川(1級河川)の水を貯留し、流域の浸水被害を防ぐもの。現地では、2005年9月の集中豪雨による同河川の溢水などにより、区内で2000世帯以上が浸水した経緯がある。洪水対策に一貫して取り組んできた都議会公明党(東村邦浩幹事長)の松葉多美子議員と杉並区議会公明党(島田敏光幹事長)のメンバーは26日、調節池の内部を視察した。

松葉都議ら一行は、都建設局第三建設事務所の宮崎重成課長から説明を受けた後、階段で地下にある調節池の最下層へ。階段の踊り場から厚さ約30センチの水密扉を開くと、52本の巨大な柱が林立する調節池本体が現れる。

増水時、善福寺川の水は越流堤から流れ込み、調節池に貯留される調節池の大きさは直径60メートルで、深さ27メートル。増水時に善福寺川が一定の水位まで上昇すると、河川の水が取水堰を越えて調節池へ流れ込む仕組みで、最大貯留量は3万5000トン。貯留された水は、水位が低下した後に電動ポンプで排水し、同河川に戻す。宮崎課長は「下流域の被害を抑制できる上、ここを起点にして、上流域の整備に着手できる」と強調した。

今回の視察で松葉都議は、「もう二度と、あのような被害は起こしたくない。その思いで11年間、水害対策に臨んできた」と、2005年9月4日の豪雨禍を振り返った。

11年前のこの日、台風14号の周辺から流れ込んだ湿った空気が各地で雷雲を生み、都内で数時間にわたって停滞した。雷雲は局地的な大雨をもたらし、杉並区の観測所では1時間に112ミリ、総雨量263ミリを記録。同一降雨としては東京都での観測史上最多となる雨量だった。

記録的な大雨によって善福寺川や妙正寺川など8河川が溢水し、杉並区や中野区を中心に都内で5000棟を超える浸水被害が発生。11年たった今も現地では、「杉並豪雨」「9.4水害」などと呼ばれている。

公明党が対策リード

災害の初動時、松葉都議をはじめ公明議員は真っ先に現場に駆け付け、住民の救援や被害状況の掌握に奔走した。都議会では、直後の定例会で水害対策の強化や、被災住民の救済措置を要望。同年11月、善福寺川の下流域の整備が、国の「激甚災害対策特別緊急事業(激特事業)」に指定された。

都はこの激特事業の完了後、善福寺川の上流域の護岸整備や、下流域にある和田堀第六調節池の改良、これに連携する環状七号線地下広域調節池の工事に着手した。

今回、善福寺川調節池が稼働したことで上流域の整備も加速し、時間100ミリ降雨にも対応する地域一帯のゲリラ豪雨対策が大きく前進するという。

視察を終え、松葉都議は「都民の安全性がさらに高まり、大変うれしく思う。引き続き、上流域の護岸整備を進めていきたい」と力強く語った。

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