消費者被害 救済しやすく

公明新聞:2016年9月30日(金)付

10月から 賠償へ団体がまとめて裁判
個人の労力減らし泣き寝入りを防ぐ
公明推進

集団的消費者被害回復訴訟の流れ消費者被害の泣き寝入りを防げ――。悪徳商法などの被害者に代わって消費者団体が企業を訴え、代金の返還や損害賠償などを請求するための新たな制度が10月から始まる。多大な費用や労力を理由に裁判を諦めていた被害者を救済するため、公明党が推進した。

新制度の対象は10月以降に契約した商品やサービスで、約束された金銭が不当に支払われなかったり、商品に欠陥があるなどして多数の被害者がいる事案。具体的には▽「モニターになれば報酬がある」として高額商品を購入させる「モニター商法」などの悪質商法に対し、購入代金の返還を請求▽購入したマンションが耐震基準を満たしておらず、修理のために損害賠償を請求――などが想定されている。

新制度では、訴訟は2段階で行われる。まず、国が認定した消費者団体が提訴し、企業が被害者に共通して金銭を支払う義務があるかどうかを裁判所が判断。企業に支払い義務があると認められれば、第2段階として各被害者に支払われる金額を決定する手続きに入る。団体がホームページなどで被害者に手続きへの参加を呼び掛け、裁判所が各被害者への支払い額を決定するという手順だ。

消費者は、企業の支払い義務が認められてから参加すればよいので、負担が大幅に軽減される。さらに、消費者団体が持つ専門的知識や交渉力も活用できる。団体の認定は、10月以降に申請受け付けが始まる予定だ。

なお、商品の不具合で商品以外の財産などが損害を被る「拡大損害」(欠陥があるストーブが発火して家が焼損するなど)や慰謝料の請求は、個別性が高いとの理由で新制度の対象外となっている。

過去に起きた消費者被害では、被害者の中で訴訟を起こした人の割合がわずか1%未満から十数%にとどまる事案が多い。裁判の労力などの負担が大きいことに加えて、得られる情報の質・量や交渉力も企業に劣るため、多くの被害者が泣き寝入りしていた。

公明党は一貫して消費者を守る取り組みを進めてきた。不当な勧誘や契約条項などを差し止めるよう請求できる現行の消費者団体訴訟制度の実現を推進。その上で、今回始まる、金銭的被害を回復するための団体訴訟制度を創設する消費者裁判手続き特例法を2013年に成立させた。

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