深刻な職場のパワハラ

公明新聞:2016年8月25日(木)付

精神的攻撃、過大な要求など

厚生労働省が6月に公表した2015年度の労働紛争に関する調査結果によると、民事上の労働相談のうち、上司による暴言や無視などの「いじめ・嫌がらせ」が前年度比7.0%増の6万6566件と過去最多となった。厚労省は「職場のいじめなどパワーハラスメント(パワハラ)に関する周知や啓発を徹底したい」としている。

相談件数が過去最多

厚労省は2011年、パワハラなど職場のいじめ・嫌がらせに関して方針を決定する検討会やワーキンググループを発足させた。その後、パワハラ対策のマニュアルを作成・配布するとともに、企業の人事担当など対象者向けに無料セミナーを全国で開催し、パワハラ問題に取り組んでいる。

パワハラは、「職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」を指し、上司から部下に行われるもののほか、勤務歴が長い同僚から新入りの同僚に行われたり、異動してきた上司に対し、部下から行われる場合もある。性別や年齢、雇用形態、業種の違いなどで大きな差はないという。

職場で起こるパワハラの代表的なものとして、次の六つの類型が挙げられる。

①殴る、足で蹴るなど「身体的な攻撃」。

②ひどい暴言や人格の否定をする「精神的な攻撃」。

③あいさつをしても無視したり、仲間はずれにする「人間関係からの切り離し」。

④終業時間の間際に大量の仕事を押し付ける、休日出勤しても終わらない業務を強要する「過大な要求」。

⑤営業職なのに買い物や倉庫整理などを必要以上に強要したり、書類のシュレッダー整理だけをさせる「過小な要求」。

⑥交際相手の有無をしつこく聞いたり、家族の悪口などを言う「個の侵害」。

厚労省の「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」(12年)によると、過去3年間にパワハラを受けた人のパワハラの種類を見ると、「精神的な攻撃」(55.6%)、「過大な要求」(28.7%)、「人間関係からの切り離し」(24.7%)の順に多かった。また、パワハラを受けた人の46.7%は「何もしなかった」と回答。さらに20代の若者に限って見ると20.1%が退職を余儀なくされていた。

公明、青年委中心にパワハラ対策推進

公明党は青年委員会(石川博崇委員長=参院議員)が中心となって、パワハラなどで若者を使い捨てにするブラック企業対策やアルバイトに過重な労働を強いたり、違法な労働管理を行うブラックバイト対策に取り組んでいる。

防ぐには上司・同僚への報告・相談が重要

パワハラ対策について厚生労働省労働基準局勤労者生活課の担当者に聞いた。 ――10代~30代の若者がパワハラに遭わないためにはどうすればいいか。

厚労省担当者 上司や同僚に、自分から報告や相談するなど、積極的にコミュニケーションを取っていくことが重要。コミュニケーション不足による相互の“ズレ”によって、例えば「彼はしゃべらないから、やる気がない」といったような誤解を生み、パワハラにつながることも多い。

もし、パワハラに遭ってしまった場合は、社内か会社が委託している相談窓口に相談するか、そうした窓口がなければ全国の労働局などに設けられている総合労働相談コーナーに勇気を持って電話をかけてほしい。

――若者が、部下や後輩を持った場合、パワハラにならないよう注意する点は何か?

厚労省担当者 叱ったり指導することは業務上あり得ること。また、時には感情的になることもあるかもしれない。しかし、反省のため、3時間立ちっぱなしにさせるとか、人格を攻撃するような暴言を吐くことが、業務の遂行に必要なことなのかということを心にとどめておくことが大切。

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