最低賃金 24円引き上げ

公明新聞:2016年7月28日(木)付

過去最大、平均時給822円に
公明が推進 中小企業には支援必要

最低賃金の額と引き上げ幅の推移厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会は26日、2016年度の最低賃金(時給)の引き上げ幅の目安を、全国平均で3%相当の24円とすることを決めた。目安通りに上乗せされれば、最低賃金は時給822円となる。上げ幅は日給から時給ベースに切り替えた02年度以降で最大。

最低賃金は企業が従業員に支払わなければいけない最低限の賃金。2桁の引き上げは5年連続で、パートやアルバイトなど雇用者全体の約4割を占める非正規労働者の待遇改善が進みそうだ。

審議会は所得や物価などの指標を基に都道府県をAからDまでの4ランクに分け、それぞれ引き上げの目安を示した。東京や大阪などAは25円、京都や広島などBは24円、北海道や福岡などCは22円、青森や沖縄などDは21円。

小委員会の決定を受け、中央最低賃金審議会は近く厚労相に最低賃金引き上げの目安を答申。都道府県の審議会が今後、これを基に地域ごとの最低賃金を決め、10月ごろから順次適用される見通し。

小委員会の議論では、労働者側委員が「できる限り早期に全国最低800円を確保し、平均1000円をめざす」とした10年6月の政労使合意を踏まえ、大幅な引き上げを要求。使用者側は個人消費の伸び悩みや円高に伴う業績悪化への懸念から慎重姿勢を示していたが、最後は受け入れた。

都道府県別の16年度の最低賃金引き上げは、最も高い東京都が25円増の932円、最も低い鳥取、高知、宮崎、沖縄の4県が21円増の714円などとなった。

今回の最低賃金引き上げ決定について公明党の古屋範子副代表(厚労部会長)は、「過去最大の上げ幅となり、パート収入などの増加につながる。家計にとって朗報だ。消費を拡大させ、経済の『成長と分配の好循環』をもたらすことも期待したい」と表明。一方で、「中小・小規模企業の経営を圧迫する恐れもあるので、生産性向上への支援や取引条件の改善など、十分な目配りをしていきたい」と語った。

最低賃金について公明党は、引き上げを一貫して推進。過去3年間の引き上げ額は全国平均で約50円に上った。引き続き、最低賃金1000円をめざして全力で取り組んでいく。

1000円超にアップ期待

京都女子大学客員教授 橘木俊詔氏

最低賃金の全国平均引き上げ額の目安が24円も上がったことを率直に評価したい。10年も前から最低賃金の引き上げを訴えてきたが、今の決め方になった2002年度以降、今回の引き上げ幅が最大になったことに隔世の感を禁じ得ない。

ただ、最低賃金の引き上げは、まだ道半ばだ。先進国の中で低水準の日本の最低賃金は、貧困を生む最大の要因。最低賃金の引き上げで、非正規社員の人も高い賃金を得られるようにしなくてはならない。

個人的には、1000円を超えてアップしてもいいと考えている。今回、そのための一里塚として大きく引き上げられたのは朗報だ。

公明党には、経営への影響を心配する声に配慮しながら、今後も最低賃金を着実に引き上げていく取り組みを期待したい。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

新聞の定期購読