民進の年金広告にだまされるな

公明新聞:2016年7月9日(土)付

「あなたの年金が、危ない。」―。民進党は7日付の新聞各紙に、こんな大見出しを付けた広告を載せた。年金積立金の運用で昨年度に5兆円超の損失が発生したと強調し、国民の不安をあおったものだが、論拠は乏しい。

年金積立金の運用益は、2012年末の自公政権発足から昨年末までで37.8兆円。民主党政権下の4.1兆円を大きく上回っている。今回の“損失”を差し引いても30兆円を超える。トータルで十分な運用益を確保しており、年金支給額の減少もあり得ない。

広告では、株式で運用する割合を増やしていることを、ことさら問題視しているが、運用比率がどうあれ、運用益が金融市場の動向で短期的に変動することは当然あり得る。中長期的な運用益の確保が重要だ。

そもそも、公的年金給付の財源のうち、年金積立金の運用益で賄われる割合は1割程度。今回の広告は、年金財源のごく一部での短期的な損失を針小棒大に取り上げ、年金制度全体が危機に直面しているかのように宣伝しているのだ。

こうしたやり口に、だまされてはならない。民進党の前身の民主党はかつて、公的年金加入者全体の5%程度にすぎない国民年金保険料の未納者の問題を取り上げて「国民年金は破たん状態にある」などと不安をあおり、自公政権の年金制度改革を徹底的に批判した。民進党の枝野幸男幹事長は当時、「政府案(現行の制度)をこのまま押し切ったら、間違いなく破たんして、五年以内にまた変えなければならない」(04年4月30日付「読売」)と主張していた。

しかし、現在も年金制度は破たんしていない。旧民主党は野党時代、年金について「確信犯的に『これでは破綻する』などと国民の不安を増幅させて、年金記録問題の追及等とともに選挙戦勝利につなげてきた」(「週刊東洋経済」09年10月31日号)と言われる。今回の広告は、旧民主党時代の成功体験を基に“年金選挙”の再来を狙ったのだろうが、二度とだまされてはならない。(秀)

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