若返り進む林業の担い手

公明新聞:2016年6月7日(火)付

公明推進「緑の雇用」事業が成果
年間1000人の就業増に貢献

林業で担い手の若返りが進んでいる。森林作業に携わる若い林業従事者が安定的に増え続けた結果、35歳未満の割合を示す若年者率が上昇する一方、65歳以上の高齢化率が低下し、担い手の減少傾向にも歯止めがかかりつつある。

主な要因は、林業への就業を希望する若者を対象に、基本的な技術の習得などを支援する「緑の雇用」事業による効果だ。これは、2003年度から林野庁が実施している事業で、公明党が創設・拡充を強力に推進した。これまで06年度、08年度、11年度と段階的に支援メニューを拡大。現在は、従来からの新規就業を後押しする技術の習得に加え、一定期間の就業経験を積んだ人を対象に現場作業を効率化するための研修を行うなど、担い手の確保や育成、キャリアアップに至るまでを支援している。

同事業の導入後、14年度までの間に約1万5000人の新規就業者を輩出。毎年1000人程度に上る数字だ。これにより、1990年に6%まで落ち込んだ若年者率が徐々に上昇。同時に、高齢化率の低下が進み、過去最高だった2000年の30%をピークに低下へ転じている。

林業従事者の若返りが進んだ要因について、林野庁の林業労働対策室は「『緑の雇用』事業を継続して実施してきたことが大きい」と強調。さらに政府として5月24日に閣議決定した、今後の林業の指針を示す「森林・林業基本計画」の中で、同事業を通じた林業就業者の確保や人材の育成などを引き続き推進することを明記している。

国土面積の約7割を占める森林は現在、戦後植林された樹齢50年超の人工林が伐採期を迎えている。

その豊かな森林資源を最大限に生かす「緑の雇用」は、山村地域の地方創生にもつながり、活力をもたらす事業として期待されている。

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