ヘイトスピーチ根絶へ

公明新聞:2016年5月31日(火)付

菅官房長官に要望書を手渡す遠山座長ら=30日 首相官邸菅官房長官(中央)に要望書を手渡す遠山座長(左隣)ら=30日 首相官邸

解消法に基づき 相談、啓発の充実を
党プロジェクトチームが政府に要請

公明党ヘイトスピーチ問題対策プロジェクトチーム(PT、遠山清彦座長=衆院議員)は30日、首相官邸で菅義偉官房長官に対し、在日韓国人などを差別するヘイトスピーチ(憎悪表現)の根絶に向けた実効性ある施策と体制の整備を申し入れた。

遠山氏らは席上、昨年7月の公明党の要請を受けて政府が即座に実態調査に乗り出し、差別的言動が沈静化していないことが浮き彫りとなり、今国会での解消推進法成立の「大きな後押しになった」と謝意を表明。

その上で、不当な差別的言動の解消に向けた同法の趣旨に沿い、自治体との連携を強め、相談体制の整備や教育の充実、啓発活動を着実に推進して、ヘイトスピーチ根絶への取り組みを強化するよう訴えた。

さらに、対策に関わる法務省の人権擁護機関の定員増員と、組織や人員体制の充実・強化も主張。インターネット上でのヘイトスピーチに対しても、同法の趣旨に沿い、根絶に向けた着実な対策実施を求めた。

菅官房長官は、人権問題に取り組む重要性に触れ、「分かりました」と応じた。党PTは、岩城光英法相に対しても要望を行った。

再犯防止策の強化も提言

更生施設、保護司へ支援さらに

一方、党再犯防止対策強化プロジェクトチーム(遠山清彦座長)と法務部会(国重徹部会長=衆院議員)も同日、菅官房長官に再犯防止策の強化へ提言を手渡した。

提言は、党PTによる刑務所や更生保護施設の視察、刑務所を出所した人などの社会復帰を支援する保護司、民間企業の協力雇用主らとの意見交換を踏まえたもの。

具体的には、更生保護施設の職員体制強化へ、運営に必要な経費は収容実績にかかわらず定額措置とするよう提案。保護司への支援の拡充に向けては、自治体の協力の充実や、「更生保護サポートセンター」の増設・運営強化を求めた。

協力雇用主の支援策としては、就労奨励金支給制度の拡充や、専門家によるサポート体制の整備を主張。薬物、性犯罪者に対する地域医療の強化や、高齢者・障がい者らの特性に応じた対策強化も求めた。菅官房長官は提言に理解を示した。

一行は岩城法相、竹内譲厚生労働副大臣(公明党)にも同様の提言を手渡した。

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