主張科学技術の人材確保 基礎研究を強化し競争力高めよ

公明新聞:2016年5月17日(火)付

科学技術の向上へ、研究者が夢を持てる仕組みづくりが求められている。

日本の研究開発力を強化するため、特定国立研究開発法人を創設し、理化学研究所など3機関を指定する特別措置法が、11日の参院本会議で可決・成立した。科学技術のイノベーション(技術革新)が日進月歩で進む中、「科学技術立国・日本」に向けた弾みとしたい。

新設法人は今後、これまで国家公務員に準じるとされた研究者の待遇を、各法人が能力や専門分野、世界水準を考慮して独自に決められるようになる。待遇アップにより人材が集まりやすくなれば、研究が進み日本の競争力も一層高まろう。

特に期待されるのは基礎研究の分野だ。基礎研究には、成果が出るまでに長い時間と多くの費用がかかる。このため企業は、基礎研究の成果を応用して実用化を探る応用研究や、実際に新製品や新生産方法を開発する開発研究に重点を置きがちだ。

しかし、基礎研究によって得られた理論や技術は、多くの特許につながるなど多大な恩恵をもたらす。日本が世界に誇る青色発光ダイオード(LED)は、基礎研究の成果を示す代表例といえよう。未来の科学技術を開く基礎研究は、国が支えていくことが重要である。

アジアで初めて新元素を発見した森田浩介・理研グループディレクターも、「国が基礎研究に力を入れていることが見えることは、若い研究者たちにとっても大事だ」と指摘している。

しかし、基礎研究に充てられる予算は十分でないのが実情だ。民主党(現民進党)政権時代にカットされた科学技術振興費は、自公政権に戻って増えてはいるものの、基礎研究費は欧米が全研究予算の15~28%以上なのに対し、日本は10%台前半にとどまっている。

基礎研究の充実と人材の確保は、日本の国際競争力を強化していく上で不可欠である。

このため公明党は12日、政府に提言した「成長戦略2016」にも「科学技術イノベーションの促進」を盛り込んだ。今後も基礎研究の強化に取り組む決意だ。

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