主張米大統領キューバ訪問 日本との交流拡大の追い風に

公明新聞:2016年3月25日(金)付

近くて遠かった両国の関係が新たな段階に入った。

米国のオバマ大統領は現職として88年ぶりにキューバを訪れ、3日間滞在した。キューバのラウル・カストロ国家評議会議長との首脳会談では、関係改善への取り組みを前進させることで一致した。昨年7月の国交回復で進む両国の経済、人的交流は、オバマ氏訪問でさらに拡大されるに違いない。

また、両国の関係好転は、反米色の強い中南米諸国にも好影響を及ぼすのではないか。

東西冷戦を通じて対立した両国は、今も人権問題などで隔たりがある。だが、今回の“雪解け”ムードは大事にしなければならない。米国で過熱する大統領選の候補者指名争いでは対外強硬姿勢の有力者もいるが、誰が大統領になろうとも、関係改善の流れを軌道に乗せるべきだ。

日本はキューバと縁が深い。約400年前、伊達藩の支倉常長率いる慶長遣欧使節団がキューバに初めて上陸したのが関係の始まりだ。首都ハバナには、両国の架け橋として支倉常長の銅像が立つ。経済関係も良好で、日本が最大の貿易相手国だった時期もある。

米大統領訪問を追い風に、日本もキューバとの関係を深化させるべきだ。既に昨年5月には、岸田文雄外相がキューバを訪れ、医療機器の提供など政府開発援助(ODA)の拡大を表明した。また、両国政府と企業関係者による「官民連携会議」をつくり、産業界のキューバ参入の環境整備を急ぐ。引き続き、医療、経済分野の交流をバックアップしてもらいたい。

この1年、キューバを訪れる観光客は増加傾向にあり、米ホテル大手各社もキューバ進出に名乗りを挙げる。今後、米・キューバ間の定期就航が始まれば、日本人もキューバを訪れやすくなるだろう。

日本の旅行会社調査によれば、日本人が「今年行きたい旅行先」の1位はハバナだという。キューバは作家・ヘミングウェイゆかりの地であり、世界遺産のハバナ旧市街やクラシックカー、野球、音楽、ダンスなど、観光資源と魅力に満ちた国である。

さまざまな分野での交流の果実が、日本にもたらされることを期待したい。

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