主張女性の再婚禁止期間 国会は違憲状態の解消急げ

公明新聞:2016年3月9日(水)付

男女不平等の是正が一歩進む。

最高裁判所が昨年12月16日の判決で、女性の再婚を離婚から半年間禁止する民法の規定を違憲と判断したことを受け、政府は8日、民法改正案を国会に提出した。違憲状態の早期解消が待たれる。

民法には、結婚後200日を過ぎて生まれた子は夫の子と推定し、また、離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子と推定する規定がある。仮に離婚した日に再婚し、200日が経過して300日以内に子が生まれた場合、この100日の間に生まれた子は離婚した夫と再婚した夫のどちらの子とも推定されてしまう。これを防ぐために民法は半年(180日)の再婚禁止期間を定めたとされる。

しかし、子の父親の推定を重複させないためであれば、100日間の再婚禁止で十分である。

最高裁は、父親の推定が重なることを防ぐための再婚禁止の規定には合理性があるとした上で、期間として認められるのは推定が重なる100日だけであり、それを超える80日は違憲と判断した。民法改正案は再婚禁止期間を100日に短縮する。

この規定は長年、女性差別として批判されてきた。国会でも議論になり、政府も法制審議会に諮問して再婚禁止期間を短縮する法案をまとめたこともある。しかし、家族については伝統を重視する立場と、現実的、進歩的な考え方との対立が続いた。

今回の最高裁判決によって、ようやく新しい時代が開かれる。最高裁の違憲判断が時代を開いた例としては、刑法の尊属殺人の廃止や、民法の婚外子の相続分の差別禁止などがある。憲法の番人として人権保障を広げてきた努力は評価されてしかるべきだ。

だが、今回の問題はこれで終わらない。

明治時代に制定された民法の再婚禁止規定そのものが男女差別に当たるとの主張があり、国連も完全に廃止するよう勧告している。

父親をDNA(遺伝子)鑑定などで調べることができる時代に、民法の推定規定が果たして本当に必要なのか。

この議論は司法の場でよりも、むしろ国会で深めていく必要があろう。

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