被災者の「心のケア」体制づくり急ぐ

公明新聞:2016年3月8日(火)付

研修会の様子を視察する亀井県議と三浦氏研修会の様子を視察する(左から)亀井県議と三浦氏

いつでも出動できる備えを
他機関との連携強化が重要
神奈川県

災害時における心のケアを目的に派遣される災害派遣精神医療チーム(DPAT=ディーパット)の体制整備が全国で進む中、神奈川県では初となる「かながわDPAT」研修会が1月24日と2月21日の両日、横浜市内で開催された。公明党の三浦のぶひろ国際局次長(参院選予定候補=神奈川選挙区)と亀井貴嗣県議は2月21日の研修会を視察し、体制構築の課題と展望を探った。

DPAT(災害派遣精神医療チーム)の研修会開く

公明が早期創設を推進。「全国のモデルケースに」

大規模災害時に被災地域では、精神保健医療機能が一時的に低下し、さらに災害ストレスが重なって被災者に新たな精神的問題が生じるなど、精神保健医療への需要が拡大する。また、精神医療機関が被災した場合、患者の搬送、避難所での診療に専門的な知見が必要になる。

東日本大震災では、各地から派遣された「心のケアチーム」が、被災者の心のケアに重要な役割を果たした。DPATは、心のケアチームに代わって新たに創設された、専門的な研修・訓練を受けたチームだ。国が2013年4月にDPAT活動要領を定め、現在、「DPAT事務局」が厚生労働省委託事業として研修プログラムを展開し、都道府県・政令指定都市で順次、体制整備を進めている。

DPATの構成は、精神科医師と看護師、業務調整員を基本とし、現地のニーズに合わせて児童精神科医、薬剤師、保健師、精神保健福祉士、臨床心理技術者などが加わる。1チーム3~5人を基本として、活動は発災後72時間以内に開始し、1週間を標準とする。活動要領によると、出動チームの体制は、被災都道府県がDPAT都道府県調整本部の助言を踏まえて決定。活動期間は発災当日から被災地域の精神保健医療体制が復旧するまで、長期間にわたることもあるという。

この日の研修会には、県内の災害拠点病院を中心に8機関から32人(8チーム)が参加した。

被災地における精神医療活動について講演した、DPAT事務局の渡路子次長は「最大の課題はフェーズ(段階)ごとの連携体制だ」と述べ、災害医療派遣チーム(DMAT)など他の支援組織に比べて、被災後に連携を取るチームが刻々と変化すると指摘。「自分が今、どこと連携を取るべきなのかを明確にすることが必要」とし、DMATや消防との連携など、平時における準備の重要性を訴えた。

研修ではこのほか、災害時に効率的な活動を行うための情報共有ツール「災害精神保健医療情報支援システム」による演習が行われた。

三浦氏も参加した別室での意見交換では、県保健予防課の和田直樹課長が、「国から『今、派遣できるチームはありますか?』という要請が出ることを想定し、いつでも出動できる備えをしておきたい」と語った。また、より重層的な体制を整えるため、「今後の研修プログラムの充実を図りたい」と話した。これに対し、三浦氏は「国としてフォローアップできる体制づくりを推進していきたい」と述べた。

研修会に先立ち、あいさつに立った亀井県議は、「DPATの整備は始まったばかり。かながわDPATの取り組みを全国のモデルケースにしたい」とあいさつした。

DPATについては、亀井県議が13年9月定例会の一般質問で取り上げて以来、党県議団が、チーム創設と体制整備の早期構築を訴えていた。

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