ふるさと納税で魅力ある街へ

公明新聞:2016年3月7日(月)付

平戸産の食材にこだわる吉居さんのジェラート店=2月 長崎・平戸市平戸産の食材にこだわる吉居さん(右)のジェラート店=2月 長崎・平戸市

教育や創業支援を充実
使い道PR、生産者も元気に
長崎・平戸市

故郷や応援したい自治体に寄付ができる「ふるさと納税」への関心が高まる中、寄付金を活用して特色ある取り組みを進める自治体が続々と登場している。長崎県平戸市では地域活性化への“好循環”が生まれつつある。

「生産者が元気になった。それが一番うれしい」―。地元の農水産物を直売する「ひらど新鮮市場」のサブマネージャー、中島史善さんの元には、ふるさと納税の返礼品の注文が全国から舞い込む。旬の殻付きカキの出荷に当たる姿には充実感が漂う。

総務省によると2015年度上半期の寄付額合計は453億円で、前年度同期の4倍に迫る。平戸市にも昨年1年間で26億円と、一昨年の2倍を超える寄付が集まった。特産の返礼品が大きな求心力となっているのも事実だが、市は商品の高額化ではなく、寄付者に魅力ある街づくりに参加してもらうことに力を入れる。

同市は寄付者の希望をもとに、(1)人づくり(2)(地域の)宝を活かす(3)住みたいまち創出―の三つのプロジェクトから納税の使い道を決めている。これまで最も多くの寄付を集めた「人づくり」の分野では例えば、情報通信技術(ICT)を活用した教育を推進しており、今年度は26ある全小中学校にタブレット端末とモニターを導入した。

また、「住みたいまち創出」の取り組みの一つに、地域経済の活性化をめざした創業支援がある。吉居哲弘さん(32)は昨年7月、ふるさと納税を原資とした補助金を活用して市内にジェラート店をオープン。市唯一の酪農家「大山牧場」の牛乳や、ブルーベリーなど全て平戸産の食材を使う。6次産業化に関心を持ってもらおうと、地元高校生とも試作に取り組んだ。

種類も豊富なジェラートは観光客からの人気も上々で、期間限定のふるさと納税の返礼品となるなど、新たな「特産品」として注目を集めている。

吉居さんは「全国の方に買いたいと思ってもらえるよう商品力を上げたい」と意気込む。

全国の特色ある活用例少子高齢化や過疎化により、05年10月の合併から10年で7000人近く人口が減少した平戸市。だが、同市ふるさと納税推進班の松瀬一博班長は、ふるさと納税を契機に「寄付を通じて街が元気になっている姿をさらにPRし、長期の支援を頂けるよう頑張りたい」と、活性化への手応えを感じている。

寄付者との交流など、ふるさと納税を生かしたユニークな取り組みは全国各地に登場している。議会質問などを通して、ふるさと納税を一貫して推進してきた公明党は、今後も地方創生へのさらなる活用に全力を挙げる。

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