主張国内宿泊5億超 外国人客の受け入れ態勢強化を

公明新聞:2016年3月4日(金)付

訪日外国人が増え、国内の宿泊環境の充実が急務だ。

観光庁の調べによると、国内のホテルや旅館への2015年の年間宿泊数が前年比6.7%増の延べ5億545万泊に達し、過去最高を記録した。訪日外国人が前年の1.5倍に増えた影響が大きい。20年の東京五輪・パラリンピック開催を見据え、国内外の利用客を受け入れる態勢を万全にしていく必要がある。

調査では、ホテル宿泊の利用具合を示す客室稼働率が大阪や東京で8割超となり、大都市のホテル不足が浮き彫りになった。外国人だけでなくビジネスマンも予約しづらい状況で、隣県に宿泊せざるを得ないケースもあるという。

日本人が宿泊できない状況では、外国人の「おもてなし」どころの話ではない。

大都市のホテル不足を解消するには、空き家やマンションの部屋を有料で貸し出す「民泊」が有効な手立てとなろう。政府は今後、旅館業法の規制外となる「国家戦略特区」の民泊とは別に、同法の政令などを見直すことで民泊を全国に認める方向だ。

訪日外国人は大都市以外の観光地でも増えており、地方の宿泊環境の整備も課題だ。

都道府県別の外国人宿泊数では、静岡、佐賀、茨城、三重、滋賀の5県が前年の2倍を超えた。静岡、佐賀、茨城の各空港は中国の航空会社が乗り入れており、急増する中国人客を取り込んだ形だ。

前年より約13%増えた北陸3県は、新幹線の効果が如実に出ており、石川県のシティホテルとビジネスホテルの稼働率は8割前後に上る。26日には北海道新幹線が開業予定だが、北海道の宿泊数も増えることが見込まれている。

政府がめざす訪日外国人の“3000万人時代”を達成するには、受け入れ態勢を強化しなければならない。

幸い、今回の調査で、旅館の稼働率は約38%と比較的余裕があることが判明した。観光庁は1日、トイレの洋式化やネット環境の整備に取り組む旅館などに対し、1施設100万円を上限に半額を支援する制度を打ち出した。

訪日外国人客の受け入れは日本経済の底上げにも直結するだけに、政府や自治体は宿泊施設への政策支援を続けてもらいたい。

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