主張シリア問題

公明新聞:2016年2月27日(土)付

混乱収束へ停戦入りに努力を

今度こそ和平実現へのチャンスとしてほしい。

シリア内戦をめぐり、米国とロシアはアサド政権と反体制派に対し、27日午前0時(日本時間27日午前7時)からの停戦入りを呼び掛ける共同声明を発表した。双方の後ろ盾とされる両国が停戦を呼び掛けた意義は大きい。当事者は呼び掛けに応じ、停戦へ努力してもらいたい。

アサド政権と反体制派の和平に向けた動きは最近もあったが、1月末にジュネーブで始まった国連主導の和平協議は6日間で打ち切られた。協議の最中に、アサド政権がロシアの空爆支援を受けて北部のアレッポ一帯で攻勢を強めたことに対し、反体制派が反発しジュネーブからの撤収を決めたからだ。今回、双方が呼び掛けに応じた場合、内戦で優位とされる政権側とロシアの対応も重要になる。

米ロの共同声明は、アサド政権と反体制派に対し、(1)国連安保理の決議順守(2)全ての武器による攻撃停止(3)停戦を利用した制圧地拡大の自制(4)人道支援活動の受け入れ―などを求めている。

共同声明では、過激派組織「イスラム国」(IS)や国際テロ組織アルカイダ系の反体制派「ヌスラ戦線」は停戦の対象外とされたため、シリア軍、ロシア軍、米主導の有志国連合はISなど過激派への空爆は継続できる。

内戦により、数万人が難民となり、戦地に残された市民も人道上の危機に陥っている。国連は先週から、シリア政府軍やISに囲まれた地域に暮らす人々に人道物資を届けているが、支援を受けられない人は依然数十万人に及ぶ。さらなる支援を続けてほしい。

死者も2011年3月以降、27万人に達した。このうち約8万人が子ども(約1万3500人)や女性(約8800人)を含む民間人である。これ以上犠牲者を出さないためにも停戦にこぎつけたい。

シリア情勢は各国が関与することで混迷を極め、それがISを利する環境をつくっている。米国のオバマ大統領は25日、停戦実現でIS掃討に総力を挙げる考えを表明した。

当事者は米ロの呼び掛けに応じ、混乱収束を図るべきだ。

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