主張同一労働同一賃金 労使双方が納得する指針が必要

公明新聞:2016年2月26日(金)付

政府は「同一労働同一賃金」の実現に本腰を入れる。安倍晋三首相は23日、「わが国の雇用慣行には十分に留意しつつ、ちゅうちょなく法改正の準備を進める」と表明した。労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の改正を軸に、具体的な法制度のあり方を検討していくという。

同一労働同一賃金の実現は、公明党が長年にわたり取り組んでいる課題である。今月9日には「同一労働同一賃金の実現に向けた検討小委員会」を設置し、実現に向けた取り組みを加速させている。

一口に労働者といっても、正社員と非正規労働者(有期雇用で働く契約社員、パート労働者、派遣社員)では賃金に大きな開きがある。

厚生労働省が昨年12月に公表した「就業形態調査」(2014年)によると、民間企業などで働く労働者のうち、非正規労働者の占める割合が初めて4割を超えた。その数は2000万人以上に上り、平均年収は200万円に届かず、正社員の半分にも満たない。

労働政策研究・研修機構の国際比較によると、パート労働者の1時間当たりの賃金水準を正社員と比べると、既に同一労働同一賃金が根付いている欧州諸国で、例えばフランスが89.1%、ドイツが79.3%であるのに対し、日本は56.8%と開きが大きい。

もちろん、日本と欧州諸国では雇用慣行が異なる。日本の正社員は、勤続年数が増えると賃金も上がる年功序列型の賃金体系が適用されていることが多い。同じ仕事に見えても、働く人の経験や技術力はそれぞれ違う。仕事が同じ内容という理由だけで同一の賃金にするのは難しい実情があるのは分かる。

ただ、欧州諸国では、欧州連合(EU)のパートタイム労働指令により、正規と非正規の労働者で賃金差を設ける場合、企業は合理的な理由を説明しなければならない。

政府はこれを参考に、同じ仕事をしていても、賃金や待遇に差を設ける場合の具体的な事例を挙げるガイドライン(指針)を示す方針だ。

雇用主が不当な理由で正規と非正規との待遇に差をつけることがないよう、政府はきちんとした指針を作成してほしい。

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