書のまちで毛筆に親しもう

公明新聞:2016年2月23日(火)付

小野小学校を訪れ、2年生の書道科の授業を見守る党春日井市議団小野小学校を訪れ、2年生の書道科の授業を見守る党春日井市議団

豊かな人間性を育む
全学年で実施 学習態度の向上にも効果
愛知・春日井市

「書のまち」を掲げ、書道文化の振興に力を入れる愛知県春日井市は2016年度から、毛筆を学ぶ「書道科」の授業を全37小学校の全学年に拡大する。書道の特性を生かし、子どもたちの表現力の向上と豊かな人間性を育むことが狙い。「書道科」の全小学校・全学年での実施は、市レベルでは全国初の取り組み。書道文化の発展を推進してきた公明党市議団(石原名子代表)はこのほど、「書道科」を先行実施している市立小野小学校(宮田健一校長)を視察した。

16年度全小学校に「書道科」導入

「筆立てて! 紙押さえて! 肘開きます!」。担当教員の声が教室に響く。机に向かう児童たちは続けて、足を床にペタンと着け、背筋をぴんと張って姿勢を正し、筆を一気に走らせる。小野小学校2年生の「書道科」の授業での一コマだ。

同市によると、書道科は国語科の「書写」などから30時間、生活科などから4、5時間を組み替えて、年間で1年生は34時間、2年生以上は35時間の授業を行う。これにより、通常、小学生は3年生から国語の授業で書道を習うところ、同市では1年生から書道科を通し、良い姿勢や正しい筆の持ち方、「三」「人」などの簡単な漢字を通して筆の運びなどを学ぶ。

同市は、平安時代に日本独自の書風を創始した小野道風の生誕地とされ、書道の盛んな土地柄。道風ゆかりの小野小学校など2校は11年度から、教育課程を変更するため文部科学省から特例校の指定を受け、書道科の授業を試験的に開始した。

以来、市は市内の書家の協力を得て、教員の指導力を向上させつつ、毛筆の経験がない1、2年生の指導方法について研究を重ねながら、今年度までに20小学校に書道科を導入してきた。

小野小学校に保存されている、児童生徒の席上揮毫大会第1回の特選作品このうち小野小学校では、全学年で使える書写ルームを整備した。書道の授業を受ける準備や後片付けにかかる時間を短縮するためだ。衣服や教室を汚さないよう、1、2年生は筆に水を付けて書く水書板を使用するほか、床には墨が染み込みにくい素材を敷いている。また机の配置を工夫して、一人一人の使える場所を広くしたり、お互いの作品を鑑賞・評価しやすい環境も整えている。

この日、同校を訪れた党市議団は、2年生の児童たちが一筆一筆に集中して「千」の漢字を仕上げていく様子を見守った。児童たちは「上手に書けるようになった」「書道の時間が楽しみ」と目を輝かせて語っていた。

書道科の特徴は、集中力や感性を伸ばし、自分の進歩や互いの良さを実感できること。特に「生徒間での能力の差がつきにくいのが一番良いところ。ちょっとコツを教えるとすぐ覚える」と宮田校長。さらに「子どもたちが整った字を書く。ノートを取るのを嫌がらない。文章を書くことにあまり抵抗がない」などの成果を挙げているという。

伊藤太市長は「書は春日井の最大のブランドで、全国公募の『道風展』をはじめ、1936年以来、毎年、児童生徒の席上揮毫大会を行っています。毛筆の授業を通して、子どものころから書に親しみ、心豊かな生活のリズムを身に付けてほしい」と、小学校での書道科実施について期待を寄せていた。

党市議団は、一貫して書道文化の伝承や発展をめざす取り組みを推進。定例議会の質問で「書のまち春日井」を国内外に発信する重要性を訴えたほか、伝統ある児童生徒の席上揮毫大会が市の誇るべき書道文化であると主張し、同揮毫大会の70周年記念作品展(2006年)の推進役も果たした。

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