主張「ひとみ」と「かぐら」 宇宙の謎解明に期待が膨らむ

公明新聞:2016年2月20日(土)付

ブラックホールの成り立ちなど、宇宙の謎の解明が飛躍的に進むかもしれない。

日本の新しいX線天文衛星「ひとみ」を搭載したH2Aロケット30号機が17日、打ち上げられ、「ひとみ」は計画通りの軌道に投入された。昨年運用を終えた「すざく」の後継衛星で、これから約3カ月かけて機器の調整を行い、運用がスタートする。

日本が米航空宇宙局(NASA)などと協力して開発した「ひとみ」は世界最高水準の性能を誇る。観測の感度は「すざく」と比べ最大100倍も優れ、地球から80億光年も離れた天体が放出するX線を捉えることができる。銀河の中心にあるブラックホールなどの観測を進め、未解明の物理現象や宇宙の進化の過程を探る。

宇宙でのX線観測は日本の“お家芸”とも言われ、これまでも数多くの成果を挙げてきた。最新鋭の性能を大いに発揮し、世界の研究をリードしてもらいたい。

H2Aロケットの打ち上げは、今回で24回連続の成功となった。成功率は96.7%に達し、日本のロケット技術の信頼性を一段と高めた。

「重力波」の研究でも期待が膨らむ。米国の研究チームが、アインシュタインが100年前に存在を予言した重力波の直接観測に成功したと発表したが、日本も負けていない。米チームが「私たちの望遠鏡にはない能力も持っている」と期待を寄せる日本の重力波望遠鏡「かぐら」が、来月から試験観測を始める予定だ。

岐阜県飛騨市の旧神岡鉱山に建設されている「かぐら」は、観測の妨げとなる地面の振動が小さい地下にあるのが特徴だ。重力波の初観測では先を越されたが、重力波の発信源を特定するには、少なくとも世界の3カ所以上で同時に観測する必要がある。その観測ネットワークの一つとしての日本の役割は大きい。

重力波の観測と「ひとみ」による観測との連携で、宇宙の神秘に迫る研究がさらに加速する可能性もある。日本の技術力を生かし、謎の解明を進めてほしい。

宇宙分野の研究は、成果が出るまでに多くの時間と費用がかかる。新たな発見に日本が貢献できるよう、政府は継続的に支援していくべきだ。

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