主張米大統領選 内向きでない建設的な論戦を

公明新聞:2016年2月13日(土)付

世界が注目する選挙戦は、混迷の様相を呈しつつある。

11月投票の米大統領選に向けた民主、共和両党の候補者選びは、最初の山場となる二つの戦いを終えた。アイオワ州の党員集会に続き、9日にはニューハンプシャー州の予備選が実施され、両党とも連勝した候補者はなく、序盤から波乱含みの展開となっている。引き続き、選挙戦を注視していく必要がある。

民主、共和両党の大統領指名候補の選出は投票で選ぶ予備選と、各地で党員が話し合いで決める党員集会という二つの方法で行われる。序盤戦で勢いに乗れるかどうかで、その後の趨勢が変わってくるだけに、各陣営は激しいつばぜり合いを繰り広げている。

2州での戦いを見る限り、米国民には既成の支配層や格差に対する不満が募っており、保守、リベラルの立場に関係なく、極端な主張が受け入れられる傾向にあることが浮き彫りになった。各候補者は、メディアの過熱報道によって選挙目当てのパフォーマンスを演じ、非難合戦も激化しているが、世界をけん引する大国としての気概ある建設的な論戦を期待したい。

気になるのは、各候補者の論戦のテーマは移民問題や格差問題に集中し、どちらかと言えば内向き志向になっていることだ。世界経済や安全保障、テロ、地球温暖化などへの対応について、さらに議論を深めていってもらいたい。

昨今、米国の影響力に陰りが出ていると指摘されるが、「世界の警察」の役割をやめたにしても、国際秩序が揺らぐ中、世界最大の国力を持つ米国が国際問題にどのように関与するかは重要だ。

環太平洋連携協定(TPP)の早期発効も大きな課題だ。今月、参加12カ国が正式合意したが、新たな経済圏域で国民総生産(GDP)の6割強を占める米国の国内手続きが終わらなければ発効できない。各候補者はTPPに反対か慎重の姿勢を示している。

大統領候補の指名選びは20日のネバダ州以降、10州以上の予備選・党員集会が集中する「スーパーチューズデー」に向けて熱を帯びていくだろう。内向きの選挙戦にとどまることなく、グローバルな視点を踏まえた選挙戦を展開してもらいたい。

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