主張外国人材の活用 働き方、就活支援にほしい工夫

公明新聞:2016年2月10日(水)付

日本は住むには良い所だけど、働く場としての魅力はいま一つ……。多くの外国人留学生はそう考えていることが明らかになった。

日本国際化推進協会が留学生と元留学生を対象に実施したアンケートによると、日本での生活を「非常に魅力的」「やや魅力的」と答えた人は計82.7%に上るが、働く場所として魅力を感じている人は22%しかいなかった。

一方、日本で就職したいと思っている留学生が約7割いるというデータもある。しかし、そのうちの4割程度しか実際に就職しておらず、年間で約1万人が日本を後にしている。なぜ、このような現象が起きるのだろうか。

経済産業省の調査では、留学生から見た日本の就職活動や労働環境の問題点・不満として、▽就職活動の仕組みが分からない▽入社後の仕事内容が明確にされない▽能力や成果に応じた評価がされない―などが挙がった。

他国ではなじみのない新卒一括採用や年功序列制度、“いつでも、どこでも、どんな仕事でも”する「無制約社員」を前提とした雇用など、日本独特のシステムが就職をためらわせているようだ。

いずれも日本の高度経済成長を支えた仕組みには違いないが、過去の成功体験にとらわれて何もしないのでは、優秀な人材を確保できない。このため経産省は、外国人材を活用するために実行すべき国の支援策や、企業への提案に関する報告書を3月半ばにも取りまとめる予定だ。

そこには、通年採用の実施や職務範囲の明確化だけでなく、日本での労働に慣れない外国人の相談体制整備、異文化理解を深める社内研修なども盛り込んではどうか。専門知識や高度な技術を持つ外国人の出入国管理を優遇する「高度人材ポイント制」の拡充も検討に値する。

また、留学生と企業側の求人のミスマッチ解消にも力を入れてもらいたい。中小企業の採用情報を外国語で発信するウェブサイトの開設といった支援が考えられる。

これらの変革は、結果として日本人の働き方改革にもつながる。いかにして多様な文化や価値観を持つ人々が生き生きと働ける社会をつくるか、官民で知恵を絞りたい。

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