主張ダブルケア 育児と介護の両立、支援策探れ

公明新聞:2016年2月9日(火)付

子育ての忙しい時期に親の介護が重なる人が増えている。こうした状態は「ダブルケア」と呼ばれる。

政府は現在、ダブルケアの実態調査を初めて行っており、結果を今夏にもまとめる方針だ。対策を強く求めている公明党として、政府が本格調査に乗り出したことを歓迎したい。

ダブルケアの背景には、晩婚化による出産年齢の上昇に加え、育児や介護を手伝ってくれる兄弟姉妹・親族の減少といった家族関係の変化が複雑に絡み合っている。

ある研究調査では、6歳未満の子を持つ母親の約1割が介護にも携わっているとのデータがある。共働き世帯で対応に追われる人も多く、その負担は女性に集中しているとみられる。

当事者からは、「誰に相談してよいのか分からない」といった悩みがよく聞かれる。孤独感を抱えながら、経済的に困窮したり、心身ともに疲れ果ててしまう人もいる。

多くの自治体は、育児と介護の担当部署が縦割りのため、連携が十分ではない。例えば、「親の介護の時に子どもを預ける場所がない」と悩んでいても、自治体の窓口では、必要なサービスや情報を十分に提供できていない。

実態調査では、育児と介護の両立に直面する当事者に寄り添いながら、どのような課題があるのかを詳細に把握し、支援策につなげなければならない。

行政のダブルケアへの対応の遅れは著しいが、それでも取り組みを始めた自治体もある。

横浜市では、市議会公明党も推進し、対策に着手している。地域のNPO法人が主催する「ダブルケアサポーター」の養成講座に市職員の受講を促し、相談や応対の改善を試みたり、ダブルケアの受け皿となる育児や介護サービスを行う民間企業を育てるため、地元の信用金庫と連携した融資相談事業も実施している。

「子どもがもう1人ほしい」と望んでも、育児と介護の両立に悩んで諦める親がいるかもしれない。出産や育児をしやすい環境を整えるのは政治、行政の役割だ。実態調査を機に、社会全体でダブルケアへの認識を高めることが求められる。

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