主張TPP署名  経済の底上げへ早期発効を

公明新聞:2016年2月6日(土)付

アジア太平洋地域の新たな貿易ルールの発効に向けた第一歩を踏み出した。

環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加した日米など12カ国が、ニュージーランドで署名し、正式合意した。日本は2013年の交渉参加以来、ルールの創設に携わってきた。署名にこぎつけたことは画期的である。

今後の焦点は、早期発効に向けた各国の国内手続きに移る。日本も速やかに対応することが求められる。

TPPの発効のためには、全ての参加国が議会での承認など国内手続きをとる必要がある。ただ、2年以内に終えられない場合、国内総生産(GDP)で全体の85%以上を占める6カ国以上の批准があれば発効できる仕組みだ。

しかし、現実的には、参加国のGDPの8割超を占める日米両国の批准がなければ発効できない。世界のGDPの4割を占める新たな経済圏の誕生は両国にかかっている。

日本では、今国会でTPPの承認案と関連法案が審議される見込みだ。3日の衆院予算委員会で、石原伸晃・経済再生担当相は公明党の石田祝稔政務調査会長に対し、「署名後、速やかに協定の承認案と関連法案を国会に提出」する方針を示した。政府は、早期発効に向けて国内手続きに努力してほしい。

TPPによる影響が大きいのは関税の撤廃だが、投資や知的財産などのルールが共通化される利点もある。包括的な経済連携によって、日本は新興国への投資を進め、海外の活力を経済成長につなげることが期待できる。国会審議では、農業の国内対策など「守り」はもちろん、経済の底上げに向けた「攻め」の議論を展開してもらいたい。

TPPには、韓国や台湾をはじめ、タイ、インドネシア、フィリピンも参加に意欲を見せる。アジア地域を取り込む態勢を整えるためにも、発効を急ぐべきだ。

米国は今月から大統領選の指名争いに突入した。候補者の大半はTPPに慎重か反対の姿勢を示している。米議会の審議は、大統領選の11月まで先送りされるのではないかという見方も出ている。オバマ政権には、TPPの重要性を議会に説明し、早期審議入りを促すよう期待したい。

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