主張シリア和平協議 国連主導で停戦の早期実現を

公明新聞:2016年2月4日(木)付

シリア内戦の終結をめざす国連主催の和平協議がようやく緒に就いた。

2011年に始まった内戦は泥沼化し、犠牲者は約25万人に上る。戦火はシリア全土に広がっており、総人口の半数以上に当たる約1200万人が住居を失った避難民として国内で生活しているか、難民となって国外に逃れた。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、内戦が始まってから昨年6月までの時点でシリアから逃れた難民は400万人を超え、16年末には470万人に達する見通しだという。シリアは世界最大の難民発生国であり、今も欧州諸国などに難民が押し寄せている。

シリアで暮らす約760万人の避難民の生活も過酷を極める。冬の気温は氷点下を下回るため、避難民は銃弾が飛び交う中、暖房用の燃料となる木材を探し求めている。紛争の激化で、UNHCRなどの国連機関が、食料品や医薬品、暖房用の燃料を避難民に届けることができない状況が続いている。

和平協議は、この惨状を終わらせるのが目的であるということを、交渉に臨むシリアのアサド政権と反体制派は肝に銘じるべきである。停戦を早期に実現させることが何よりも重要だと強調したい。

和平協議は14年にも行われ、移行政府の樹立をめざしたが、アサド政権が退陣を拒否して決裂している。

シリア内戦には、さまざまな国の利害が絡む。ロシアやイランがアサド政権を支える一方で、サウジアラビアなどの湾岸諸国や欧米諸国は反体制派を支援している。そうした国々が自国の思惑に基づき和平の動きに介入したことで、事態をこじらせたことも忘れてはならない。

今回の協議で国連は、シリアで台頭する過激派組織「イスラム国(IS)」や国際テロ組織アルカイダと関係する武装勢力「ヌスラ戦線」などを除いた反体制派の幅広い組織が協議に参加できるよう、水面下で働き掛けている。

国際社会はこの国連の努力を尊重し、後押ししていくべきである。国連の主導で、アサド政権と反体制派が歩み寄れるよう粘り強く対話を促し、今度こそ和平協議を成功させなければならない。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

新聞の定期購読