主張非正規労働者 望ましい正社員化、待遇改善を

公明新聞:2016年2月2日(火)付

雇用が不安定、賃金が低い、能力開発の機会がない。こうした非正規労働者の希望と意欲に応じた施策を進めなければならない。

厚生労働省は、非正規労働者の「正社員転換・待遇改善実現プラン」を発表した。国が正社員への転換や待遇改善をめざす包括的な計画を出すのは初めて。プランでは2016年度~20年度の5年間で、正社員になれなかったために不本意ながら非正規で働く人の割合を、14年平均の18.1%から10%以下に減少させる数値目標を盛り込んだ。

特に力を入れるのは、不本意な非正規労働者の割合が高い若年層(28.4%)や派遣社員(41.8%)らへの支援だ。雇用の安定化や待遇を改善した企業に支給される「キャリアアップ助成金」の活用や、ハローワークで紹介する正社員求人数の増加などに取り組み、不本意と感じる人の割合を半減するとしている。

各種調査を見ると、雇用情勢は着実に改善している。15年12月の有効求人倍率は24年ぶりの高水準、正社員の有効求人倍率は04年の調査開始以来最高の0.8となった。完全失業率も3.3%で18年ぶりの低さだ。この好機を生かした、非正規労働者の正社員への転換が望まれる。

その際には、数値上の目標だけでなく質にもこだわるべきだ。せっかく希望通りに正社員になれたとしても、劣悪な環境での労働を強いるブラック企業に入社したのでは元も子もない。公明党の強い推進で制定された改正労働者派遣法や若者雇用促進法に基づき、キャリア形成やブラック企業の排除施策を着実に実行してほしい。

また、非正規労働者の待遇改善も重要だ。今回のプランの中に同一労働・同一賃金の推進や最低賃金1000円(時給)をめざすことが盛り込まれたのは評価できる。経済的な理由で結婚や子育てをためらう人たちが人生設計を描きやすくなる。

一方で、長時間労働や残業が多いといった「正社員的な働き方」の改革も忘れてはならない。単に「正規」「非正規」という枠組みだけでなく、労働者全体の望ましい働き方を模索しなければ、政府がめざす「1億総活躍社会」の実現は難しいだろう。

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