がん病巣を“狙い撃ち”

公明新聞:2016年1月29日(金)付

福井県の陽子線がん治療センターを視察する熊野氏ら福井県の陽子線がん治療センターを視察する熊野氏(左から4人目)ら

熊野氏ら陽子線治療センターを視察
患者の負担軽減めざす
福井県

頭頸部や肺などの悪性腫瘍に効果を発揮

がんの治療法の一つで、患者への副作用が少ないとされる陽子線治療―。その効果を探ろうと、公明党の熊野せいし党地域医療関西会議議長(参院選予定候補=比例区、医学博士)は16日、福井県福井市にある福井県立病院陽子線がん治療センター(山本和高センター長)を視察した。これには西本恵一県議をはじめ、福井市の下畑健二、島川由美子、菅生敬一、敦賀市の大塚佳弘、あわら市の平野時夫の各市議が同行した。

同センターは陽子線の物理的特性を生かしたがん治療を行う施設。2011年3月から陽子線治療を開始し、これまでに742人(15年12月末現在)が利用しているという。

従来から放射線治療として使われているエックス線などは、体の表面近くで吸収される放射線量が最も多く、がん病巣以外の正常な組織にも損傷を与えてしまう課題があった。これに対し、陽子線は原子核を利用した放射線で、一定距離で放射線量がピークになる特性があるため、がん病巣そのものを集中的に“狙い撃ち”することができる。

1回の治療時間は20~30分程度と短く、陽子線治療のための入院は必要ない。頭頸部や肺、前立腺など悪性腫瘍の位置が明確ながんに効果を発揮。8~39回の治療を要するが、身体的負担はほとんどなく、痛みを感じないのも特徴だ。

この日、山本センター長の案内で一行は、陽子を光速の約60%まで加速する装置「シンクロトロン」や、陽子線を任意の方向から当てることができる「回転ガントリー照射室」を見学。

同センター長は、14年3月に運用を開始した「積層原体照射システム」について「これまでの陽子線治療に比べ、さらにピンポイントでがん病巣を照射できる。特に、放射線に弱い臓器が散在する頭頸部に有効だ」と力説。一方、陽子線治療は保険適用外のため、240万~260万円と高額な費用が掛かることから、「(小児がんの治療は今年4月から保険適用になるので)さらに、対象を広げてほしい」と要望していた。

なお一行は、CT(コンピューター断層撮影装置)を活用した高精度な治療方法についても説明を受けた。

視察を終え、熊野氏は「陽子線治療を含め、患者への負担を軽減する先進医療への保険適用を後押ししていきたい」と述べた。

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