主張中小企業の賃上げ 大企業の取引条件改善が必要

公明新聞:2016年1月28日(木)付

自公連立政権が進める経済政策によって、大企業を中心に業績の改善が続いている。この恩恵が中小企業にも行き渡るようにしたい。

そのためには、中小企業が賃上げしやすい環境を作り出すことが重要である。その一環として、政府は今月から、大企業と中小企業との取引の実態調査を開始した。

大企業の経営が順調なら、取引先の中小企業への発注が増え、中小企業の収益増につながる。しかし、大企業が下請けの中小企業に、過剰な値引きを要求したりすれば、中小企業が賃上げのための原資を確保できなくなる恐れが出てくる。そこで大企業が中小企業との取引条件の改善に取り組んでいるかどうか確認するのが、調査の目的である。

調査対象となるのは、資本金3億円超の大企業約1万5000社。今月末までに調査票を郵送し、2月中旬までに回答を得る。政府は、3月に調査結果を業種ごとにまとめるという。

政府と経済界、労働団体の代表が意見を交換する「政労使会議」は昨年4月、原材料費が高騰した場合、その上昇分を、中小企業が大企業に納入する製品の価格に転嫁できるよう支援することで合意した。この合意が守られているかどうか確認する上からも、今回の調査の意義は大きい。

事実、円安の進行により、中小企業が部品生産などのために調達している輸入材料は値上がりしている。しかし、中小企業庁は、大企業による取引単価の見直しが行われないことも少なくないと指摘している。

中小企業庁によると、大企業と下請け中小企業との取引における価格決定方法の約48%が、複数の業者の見積もりを比較し、最低金額の業者と契約する見積もり合わせであるという。この結果、下請け間の競争が激化しており、多くの中小企業が値下げせざるを得ない実情にある。

大企業は今回の調査にしっかり協力するとともに、政労使会議の合意に従い、中小企業との取引条件の改善に向けた取り組みを強めていくべきである。取引条件の改善が進んでいない場合、経済界と政府との官民対話などを通じて、政府が粘り強く働き掛けていくことも必要だ。

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