主張廃棄食品の横流し 不正行為の罰則強化 検討を

公明新聞:2016年1月26日(火)付

賞味期限切れなどの理由で処分されるはずだった食品を不正に転売する行為は、食の安全と消費者の信頼を揺るがす。カレーチェーンを展開する壱番屋(愛知県一宮市)から廃棄を委託された冷凍カツなどが横流しされた問題は、早急な全容解明と再発防止策が必要だ。

愛知、岐阜の両県警は現在、不正を行った業者の捜査を進めている。横流しを受けた食品関連会社からは、カツ以外にも、108品目が見つかっており、正当な商品と偽って安く販売されていたという。安全性が疑われる商品の回収を急がねばならない。

他の業者でも廃棄食品が横流しされている可能性はある。このため、環境省は先週、全国の自治体に、食品廃棄物を扱う業者への立ち入り検査を要請する通知を出した。不正が判明した場合、廃棄物処理業の許可取り消しなどの措置が取られる。自治体には、厳正な検査を求めたい。

廃棄物処理法では、こうした不正を防ぐため、最終処分業者は、ごみの処分方法や量を、排出業者らに報告するよう規定している。しかし、今回の事件では、産廃処理業者が虚偽報告を行っていた。行政やごみの排出事業者が全ての最終処分に立ち会うのは現実的に無理であり、産廃業者が虚偽報告を行えば、不正を見抜くのは難しいという。

このため、公明党の井上義久幹事長は22日の会見で、「(処理業者に対する)監視の強化や虚偽報告に対する罰則強化、法改正の必要がないか検討しないといけない」との考えを示した。

また、同法では、排出事業者にも不正防止の責任を負うよう定めている。自社製品の信用にかかわることもあり、壱番屋は今後、製品が再び市場に出回ることがないよう堆肥の原料に混ぜて廃棄するとの再発防止策を発表した。処分量が多いなど、やむを得ずそのまま捨てる場合は、産廃処理作業に社員が立ち会って確認するという。

悪質な業者が安値で転売できる抜け道を放置すれば、低価格での商品提供を行う企業の正当な努力が報われないことになる。同様の再発防止策は、他の食品メーカーや外食チェーンなどにも求められよう。

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