主張厚生年金の加入逃れ 事業所への指導 さらに強力に

公明新聞:2016年1月21日(木)付

厚生年金の適用から逃れている事業所に対して、加入への指導をさらに強めなければならない。塩崎厚生労働相は19日、悪質な事業主について、刑事告発を検討する考えを表明し、強い姿勢を示した。

昨年12月、厚労省が発表した「2014年国民年金被保険者実態調査結果」によると、厚生年金に入る資格を持ちながら、勤務している事業所が加入手続きを怠っているため、国民年金のままになっている人は200万人に上ると推計されている。

すべての法人事業所(株式会社など)と従業員が常時5人以上の個人経営の事業所(サービス業の一部などを除く)は、厚生年金に加入し、従業員を被保険者にすることが法律で定められている。違反すれば、追徴金や罰則(6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金)もあるが、労使折半の保険料負担を逃れようとする事業者は後を絶たない。

政府は加入拡大に全力を挙げている。加入指導により厚生年金の適用となった事業所数は自公政権の13年度1万9099件、14年度3万9704件と12年度の約8000件を大きく上回っている。国土交通省の主導で、一定規模の公共事業で契約先を厚生年金などの加入業者に限定するなど、建設業で加入が拡大したことは記憶に新しい。

現在、厚労省は15年度から3年計画で厚生年金の未加入事業所に対して「適用促進策」を強化し、集中的に加入指導に取り組んでいる。日本年金機構は、雇用保険や登記簿などの情報との突き合わせで、対象事業所の選定や、文書・電話での問い合わせ、個別訪問などを実施している。

保険料逃れの事業者に対して、「加入できないようなら、市場から退出するべきだ」という声もあるが、保険料負担を嫌う従業員が未加入を容認していたり、事業が順調になっても創業時の未加入が続いていることもあるだろう。

もちろん、厚生年金の未加入は、従業員に低年金の老後を送らせ、加入している同業他社には不公平な競争を強いており、放置することは許されない。

厚労省や日本年金機構は、今後も粘り強い取り組みを続け、着実に加入を促進してもらいたい。

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