主張世銀のTPP試算 経済効果大きく日本に恩恵

公明新聞:2016年1月13日(水)付

昨年、大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)について、日本経済に大きな恩恵をもたらすという試算結果が明らかになった。

政府はすでに、TPPが発効すれば、国内総生産(GDP)を約14兆円(2.6%)押し上げ、約80万人の新規雇用を生み出すと発表している。

一方、世界銀行も先週、2030年までにGDPを2.7%押し上げるとの試算を公表した。日本政府の試算を「過大」と指摘する声もあったが、ほぼ同数字となった。

TPPは、関税の撤廃に伴う貿易拡大で生産性が向上するだけでなく、各国の規制緩和によってサービス産業などで自由度の高い事業展開を可能にする。実質賃金の上昇や海外投資の増加が見込まれ、日本経済再生の牽引力として早期発効が望まれている。

そのためには、TPP対策費を盛り込んだ15年度補正予算案や16年度予算案の早期成立はもとより、協定の国会承認、関連法案の成立が不可欠だ。発効への道筋を確実なものにしていきたい。

併せて、安い外国産との価格競争にさらされる国内の農林水産業対策は不可欠である。政府の粘り強い交渉が実ってコメや麦などの重要品目に関する関税撤廃の例外が確保され、生産減少額は最大2100億円にとどまったが、生産者の不安を払しょくする努力が求められる。

公明党は全国の生産現場の声に耳を傾けているが、農林水産物の輸出体制の強化を求める声が数多く寄せられている。実際、畜産物については輸出の検疫を認定する施設数が少なく設置地域も偏っているため、スムーズな輸出に結び付いていないのが現状だ。

産地間の連携が不十分なため、輸出相手国や地域で同時期に同じ品物が集中する状況も起きている。産地ごとの収穫時期の違いを利用して通年供給できるよう情報交換を強化するなど、政府の支援を強化し、オールジャパン体制で取り組んでいきたい。

日本食人気などで日本の農林水産物の国際的なニーズは高まっており、昨年、輸出額は過去最高を更新した。TPPでさらに海外展開への道が開ける。政府は輸出対策に本腰を入れ、「攻め」の農業を推進してもらいたい。

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