主張電力小売り自由化 円滑な実施へ説明と準備を

公明新聞:2016年1月12日(火)付

今年4月から電力の小売りが全面自由化され、利用者は電力をどの企業から買うか自由に選べるようになる。

すでに工場や大型の商業施設向けには自由化が始まっているが、家庭に対しては全国10社の大手電力会社による地域独占状態が続いてきた。全面自由化の機運が高まったきっかけは、2011年3月の東日本大震災によって首都圏の電力供給が大幅に低下し、計画停電が行われたことだ。

この時、発電施設の1カ所集中や電力会社同士で電力を融通する仕組みの不備が災害時の電力の安定供給を妨げていると問題視された。地球にやさしいクリーンなエネルギーを選びたいという声の増加も自由化の後押しとなった。

自由化が進めば、供給体制が安定するだけでなく、企業間の競争が生まれ料金が安くなると期待されている。実際、各社からは今までより割安なプランの発表が相次いでおり、中には年間5000~1万円程度安くなるプランもある。すでに約120社が電力小売りとして国の登録を受け、競争は激化している。

ただ、消費者の理解はどこまで深まっているだろうか。▽電力会社を切り替えない場合は現在の契約プランが継続される▽新たに契約した企業が倒産しても大手電力のバックアップがあるので停電しない▽離島・へき地も他の地域と同様の料金水準とする―など、国は消費者に分かりやすく説明してもらいたい。

家庭の電気使用量を詳細に把握できる次世代電力計(スマートメーター)の設置と、契約先を変える場合の手続きや料金の精算を円滑に行うためのシステム開発が遅れているのも課題だ。

十分な電力を供給できなくなり大規模停電が発生した米国・カリフォルニア州や、燃料費の高騰や再エネの導入で電気料金が自由化前より上昇した英国など、海外の失敗例も他山の石として、円滑な実施に向けた準備を進めてもらいたい。

また、現在では要請レベルにとどまっている、電力がどのようにつくられたかを示す電源構成の割合を開示するよう販売企業に義務付けることも検討に値する。そうすれば、国民が真に求める日本の電源構成の姿が見えてくる。

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