主張20歳の君へ 成人とは人に成ること…

公明新聞:2016年1月11日(月)付

拝啓 20歳になった君へ

成人の日、おめでとう。東天に眩しく輝くきょう1月11日朝の太陽にも似て、勇躍、未来への一歩を踏み出してほしいと願っています。

さて、君も承知の通り、今年の新成人は昨年より5万人減って121万人。2014年と並んで過去最少でした。総人口に占める割合も6年連続の1%割れです。

今後もこのペースで人口減が進むなら、現役世代1人で高齢者1人の面倒をみる「肩車型社会」の到来は必至でしょう。少子高齢化政策の総動員がいよいよ急がれます。

故に、晴れて20歳の檜舞台に躍り出た君に望みたいのです。政治や社会の動向に無関心であることなかれ、政治を監視し、物申す大人たれと。

思えば、1995年生まれの君たちほど「激動の季節」を歩んできた世代はないのかも知れませんね。

誕生年の95年には、「阪神大震災」と無差別化学テロ「地下鉄サリン事件」がありました。長く信じられてきた「安全神話」は脆くも崩れ、その影響は東日本大震災や原発事故、国際テロの拡大といった形で今に引きずっています。

政治の分野でも「55年体制」崩壊後に生まれた非自民連立政権が1年と持たず、政治不信が一気に拡大。折からバブル経済も弾け、君たちは「失われた20年」という長い経済低迷期の中で育ちました。

いわば幼少期から艱難の道を生きた世代、それが君たちだと思うのです。だとすれば、時代や社会への問題意識は我知らず培われたはず。その潜在する可能性を今こそ自覚的に開花させ、大いなる飛翔をと願ってやみません。

以下は、その一助にと贈る谷川俊太郎さんの詩「成人の日に」からの一部抜粋です。

<成人とは人に成ること/…どんな美しい記念の晴れ着も/…それだけではきみをおとなにはしてくれない/他人のうちに自分と同じ美しさをみとめ/自分のうちに他人と同じ醜さをみとめ/でき上がったどんな権威にもしばられず/流れ動く多数の意見にまどわされず/とらわれぬ子どもの魂で/いまあるものを組み直しつくりかえる/それこそがおとなの始まり>

以上、詩人の熱き魂と君の若き命との共鳴を祈りつつ。

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