総活躍へ政府が緊急対策決定

公明新聞:2015年11月27日(金)付

希望を実現できる社会に
子育て・介護支援が加速
党推進本部 桝屋本部長代行に聞く

政府は26日、「1億総活躍国民会議」を首相官邸で開き、「新3本の矢」の(1)国内総生産(GDP)600兆円(2)希望出生率1.8(3)介護離職ゼロ―を実現するための緊急対策を決定した。緊急対策には24日に公明党が政府に提出した19項目の提言が随所に反映された。そのポイントについて、党1億総活躍推進本部(本部長=石田祝稔政務調査会長)の桝屋敬悟本部長代行(衆院議員)に聞いた。

中小企業など支援で
最低賃金1000円

保育と介護の受け皿
「各50万人分」を整備

介護離職ゼロ
休業給付金「40%→67%」

―1億総活躍社会の実現とは。

桝屋本部長代行 公明党は1億総活躍社会を「一人ひとりが輝き活躍できる社会」と位置付け、全ての人が自己実現できる社会をめざしたいと考えています。新3本の矢に子育て支援や介護が盛り込まれました。公明党が長年、取り組んできた政策を加速化させるチャンスです。

―緊急対策をどうみるか。

桝屋 緊急対策には、来春、政府がまとめる「ニッポン1億総活躍プラン」に向けた基本的な考え方や検討すべき方向性が示された上で、緊急で実施すべき具体策が盛り込まれました。自公政権の経済政策で、企業収益が上がり、雇用も改善しています。しかし、足元の経済はGDPが2期連続のマイナス成長と、本格的な回復まであと一息です。経済政策で得た成果を、喫緊の課題になっている子育て支援や介護に充て、人口減少や高齢化に真正面から向き合う姿勢を明確にしました。待ったなしの取り組みが盛り込まれたと評価しています。

―公明党の訴えはどの程度、盛り込まれたのか。

桝屋 公明党の提言内容は随所に反映されています。難病・障がい者やひとり親家庭など、特別な配慮が必要な人々の活躍に光を当てるよう訴えましたが、これらは緊急対策の基本的な考えの中に盛り込まれました。また、地域に根差して生きている人や育児をしながら働く人、保育・介護サービスを利用する人の視点に立って、各制度を横断する仕組みづくりも明記されました。

経済対策では、公明党の提案で設置が進む「地方版政労使会議」を効果的に活用し、賃上げや働き方改革を進め、最低賃金1000円に向けて中小企業などを支援します。さらに、賃上げの恩恵が及びにくい低年金受給者もサポートします。

また、希望出生率1.8に直結する取り組みとしては、待機児童解消加速化プランの受け皿を50万人に拡大し、小規模保育や事業所内保育の整備の支援を明記しました。妊娠から出産、育児までの切れ目のない支援を行う子育て世代包括支援センター(日本版ネウボラ)の全国展開を進めます。

ひとり親家庭には、親の就労支援、子どもの学習支援を行い、児童扶養手当の機能強化や行政手続きを分かりやすくするために自治体窓口のワンストップ化を推進します。このほか、不妊治療の助成の充実、男性の育休取得促進策、出会いの場提供などの結婚支援、教育分野では幼児教育無償化や返済に配慮した所得連動型奨学金制度の充実など、党の提言通りの内容です。

介護離職ゼロに向けては、特別養護老人ホームの待機者も含めた50万人分以上の受け皿をつくることが明記されました。また、公明党が強力に訴えた介護人材の離職防止については、介護福祉士をめざす学生への学費支援制度など人材育成・確保が進みます。

介護休業制度の見直しでは、休業中の給付金を賃金の40%から67%に引き上げ、分割取得を可能にします。総合的な相談機能の強化や育児と介護のダブルケアへの対応も両立支援として盛り込まれています。

―今後の取り組みは。

桝屋 公明党が提言の中で訴えた、新たな子ども医療などの支援、地域で活躍する場づくりとしての新たな法人制度の実現などは、さらに議論を進めていきます。また、介護の質の確保、育児・介護のための2地域居住支援策なども大切なテーマです。来春のプラン策定に向け、公明党らしく、一人に寄り添う政策に全力を挙げます。

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