「攻め」と「守り」の国内対策

公明新聞:2015年11月26日(木)付

TPPで政府が大綱、公明の主張反映
中小企業、農業を伸ばす
党総合対策本部長 石田祝稔 政調会長に聞く

政府は25日、全閣僚による環太平洋連携協定(TPP)の総合対策本部を開き、「総合的なTPP関連政策大綱」を決定した。大綱には、20日に公明党が政府に提出した提言が随所に反映された。そのポイントなどについて、党TPP総合対策本部長の石田祝稔政務調査会長に聞いた。

公明の主張が反映された主なポイント

◎中小企業などの海外進出を後押し
◎農林水産物やコンテンツなどの輸出を促進
◎コメ、麦など重要5項目で経営安定化対策
◎水田・畑作・野菜・果樹の収益力向上を支援
◎食の安全確保へ原産地表示の拡大を検討


―政府の政策大綱をどう評価しますか。

石田政調会長 TPPが発効すると、人口8億人の巨大市場が誕生します。参加国間で貿易などのルールが共通化され、日本で約95%、日本以外の11カ国で99%以上の品目の関税が撤廃されることから、国産品の輸出や企業の海外展開が増えるなど大きなメリット(利点)が生まれます。その一方で、国内の農林水産業を中心に、安い外国産との価格競争にさらされることなどへの懸念や不安があります。

公明党は、メリットを生かす「攻め」と、影響を最小化する「守り」の両面から提言をまとめ、政府に申し入れました。そのほとんどが大綱に盛り込まれ、充実した内容になりました。

大綱には、農林水産物の輸出や中小企業の海外展開、インフラ輸出、企業誘致といった各項目に数値目標が明記されており、政府の意気込みが感じられます。数値の根拠を丁寧に説明し、責任をもって実行してもらいたい。

―公明党の主張が反映されたポイントは。

石田 例えば私の地元、四国・愛媛の今治タオルなど、全国には多くの地場産業があります。それらの製品のほとんどで、TPP参加国の関税が撤廃されます。輸出拡大のチャンスですが、地場産業の大部分が中小企業・小規模事業者です。海外進出には、ノウハウの面などで支援が不可欠です。公明党は、中小企業などが関税撤廃のチャンスをうまく活用し、海外市場に挑戦できるよう、相談体制の整備や支援の抜本的な強化、アニメやゲームなど日本が得意とするコンテンツ分野での輸出促進策を提案し、大綱に盛り込まれました。

TPPの大筋合意では、著作権侵害について、権利者が告訴しなくても検察が訴追できるようにする「非親告罪」化が求められていますが、公明党の主張に沿って、愛好家らがアニメキャラクターなどを使って制作する「二次創作」への萎縮効果が生じないよう制度整備を行うことが示されました。

―農林水産業で生産者が「安心」と「希望」を持てるよう、公明党は具体的な対策を提言しました。

石田 日本の農林水産業が果たす食料自給や国土保全などの観点を踏まえ、生産者が「安心」して再生産に取り組めるよう、特にコメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物の重要5項目で経営安定化対策を提言。いずれも大綱に反映されました。

例えば、コメでは、関税維持の代替策として米国などにコメの無関税輸入枠を新設しますが、輸入米の増加が国産米の値下がりを招くことを防ぐため、輸入量と同量の国産米を政府が備蓄用に買い入れることとしました。

―「希望」の面では。

石田 公明党の主張に沿った形で、水田・畑作・野菜・果樹の産地や担い手による収益力の向上支援や、地域ぐるみで高収益化をめざす「畜産クラスター」拡充など、競争力・体質強化策が盛り込まれました。

また、生産者からの要請が多かった外国産品との差別化や食の安全確保に向けた「原産地表示の拡大」の検討も明記されました。

―各施策は今後どう具体化されますか。

石田 年内に編成される見込みの2015年度補正予算案や16年度予算案に反映させ、法整備が必要なものは順次進めます。

大綱には継続して検討すべき項目として、公明党が提唱する「収入保険の導入」「飼料用米の推進」などが盛り込まれています。今後も現場の声に真摯に耳を傾けながら、必要に応じて政府に提言を行い、対策を具体化していく決意です。

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