主張企業内保育所 複数事業者の共同運営で普及を

公明新聞:2015年11月23日(月)付

政府の掲げる「1億総活躍社会」の実現をめざし、仕事と育児の両立支援策が政府・与党内で議論されている。その具体策の一つとして注目されているのが、企業や事業所で働く人の子どもを預かる「企業内保育所(事業所内保育所)」の整備である。

企業内保育所は、職場と近い場所に設置されるので、子どもを預けたり迎えに行くのが便利である。今年4月から始まった「子ども・子育て支援新制度」では、一部の企業内保育所が市区町村の認可を受け、地域の子どもを受け入れる取り組みを行っており、待機児童解消の受け皿としての役割も期待されている。

厚生労働省によれば、企業内保育所は全国で1719施設に上る(昨年3月末)。企業内保育所の整備を加速させていきたい。

ただし、課題がないわけではない。

保育所の運営費用は企業の負担となる上、地域の保育所と比べると利用者数は不安定である。開設してから数年で閉鎖に追い込まれるケースも珍しくない。安定した経営を続けるためには、工夫が幾重にも求められる。

例えば、隣接して立地する複数の企業や事業者が共同して企業内保育所を設置・運営すれば、一企業当たりの負担を軽減でき、一定の利用者も見込める。こうした共同運営は、単独で多額の資金を出しにくい中小企業にとって、特に有効な対策となろう。

既に埼玉県では、県と複数の中小企業が共同で県庁内に保育所を開設。さらに、共同運営向けのマニュアルを策定してノウハウを支援したり、独自の補助金制度を設けて成果を挙げている。

沖縄県でも、「事業所内保育推進コーディネーター」を配置した相談窓口を設け、共同運営する企業間の調整や助成金申請手続きのサポートを行っている。

地域内の企業の実情をよく知る自治体には、共同運営のための事務手続きを支援すると同時に、参加する企業同士を仲介するリード役を担ってもらいたい。

このほか、企業の遊休施設を保育所として積極的に活用するのも一案である。民間の知恵や工夫を引き出しながら普及させていきたい。

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