難病対策で基本方針 政府

公明新聞:2015年11月14日(土)付

党対策推進本部 江田本部長党対策推進本部 江田本部長

治療と生活の両立支援
費用助成 今後、対象の拡大も
党対策推進本部 江田本部長に聞く

医療提供 地域間格差を解消

今年1月、難病の医療費助成などを定めた「難病医療法」と、子どもの難病(小児慢性特定疾病)を対象にした「改正児童福祉法」の難病関連2法が施行。助成対象の「指定難病※」が拡充され、9月と10月には両法に基づく国の基本方針が告示された。公明党難病対策推進本部の江田康幸本部長(衆院議員)に難病対策の今後の展開などを聞いた。

―法整備の狙いは。

江田康幸本部長 これまでの難病対策は医療費助成に法的な裏付けがありませんでした。今回の法整備では、医療費助成を法律に基づく「義務的経費」とし、消費税率引き上げ分を財源とする公平で安定的な助成制度を確立。指定難病は56疾病(患者数約78万人)から306疾病(同150万人)に、子どもの難病は514疾病(同11万人)から704疾病(同15万人)に広がりました。

―「基本方針」とは。

江田 国や地方自治体、医療機関などが具体的に取り組むべき対策を示したものです。主な柱は、医療費助成や医療提供体制のあり方、疾病の調査・研究、医薬品などの研究・開発の推進、難病患者の療養や就労支援などです。

―医療費助成の内容は。

江田 自己負担割合を従来の3割から2割に引き下げ、(他の制度に比べ)最も軽い自己負担限度額も設定しました。基本方針では、今年度中に指定難病検討委員会を再開し、指定難病を拡大するとしています。また「指定難病患者データベース」を新たに構築することで、難病研究や医薬品の開発に役立てます。

―医療提供体制をどう構築するのか。

江田 地域間格差が指摘される医療提供体制について、早期に診断し、診断後はより身近な医療機関で適切な医療を受けられるよう、関係機関の役割を基本方針に明示しました。

国は、難病医療体制の具体的なモデルケースを示し、難病研究施設や地域医療拠点病院などで構成する「難病医療支援ネットワーク」の設立を支援します。都道府県は、モデルケースを参考に、支援策などを地域医療計画に盛り込み、医療を提供するための体制づくりに努めます。医療機関は難病患者に必要な医療を提供し、自治体や他の医療機関とともに、地域における難病の医療提供体制の構築に協力します。

―患者の療養や就労支援は変わるか。

江田 住み慣れた地域で治療を受け、療養を続けたいというのが、難病患者の切なる希望です。そのためには医療と福祉の連携を進める必要があります。全都道府県にある難病相談支援センターを中心に、患者の相談に乗り、就労や生活もサポートしていきます。また、保健所を中心とした「難病対策地域協議会」の設置を進め、各地域ごとの難病患者を幅広く支援し、在宅療養に向けた訪問看護や患者家族に休息を取ってもらうレスパイトケアも進めます。ハローワークでは難病患者の就労支援が始まります。

―子どもの難病対策は。

江田 これまで子どもの難病の多くは、成人の「指定難病」に入っていないため、患者は成人後、医療費負担が重くのしかかっていました。今回の改正で4割以上の子どもの難病が“指定難病”になりました。残りの疾病も、がん対策などで支援が進む予定で、多くの子どもの難病が切れ目のない支援を受けられることになりました。

子どもの成長に合わせた「自立支援事業」も創設しました。都道府県や市町村の相談支援を義務化し、地域の実情に応じた療養、教育、就労支援を強化します。

―公明党の取り組みは。

江田 基本方針には公明党が患者や家族、関係団体と意見交換を重ね、国に提言した内容が数多く盛り込まれました。難病は、ごくまれですが国民の誰もが発症する可能性があります。だからこそ難病で苦しむ患者を社会全体で支えることが重要です。

公明党は一人の声を大切にしてきました。今回の難病対策の前進は、その姿勢が結実したものです。

※指定難病 難病のうち▽原因不明▽治療方法が未確立▽長期の療養が必要▽患者数が人口の約0.1%程度以下▽客観的な診断基準がある―などを満たす疾病。

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