Q&A 子宮頸がんワクチンの副反応

公明新聞:2015年10月2日(金)付

救済、生活支援を強化
究明へ研究さらに必要
勧奨の差し控えは継続

厚生労働省は9月17日、子宮頸がんワクチン【注】の副反応に関する追跡調査の結果を有識者検討会に報告、翌18日からは副反応に対する救済の認定審査が始まった。同ワクチンをめぐるこれまでの経緯や現在の状況をQ&Aで紹介する。

Q 現在までの経緯は。

A 子宮頸がんワクチンは2009年10月に承認され、任意接種の時期を経て13年4月から予防接種法に基づく定期接種となった。しかし、接種を受けた女性から全身の痛みなどを訴える声があったため、厚労省は同年6月、積極的な接種勧奨を一時的に控えることを決定。その後は、副反応の追跡調査や協力医療機関の選定を進めてきた。

Q 追跡調査の結果は。

A 09年12月のワクチン販売開始から14年11月までに接種した約338万人のうち、2584人(全体の0.08%)から副反応報告があり、186人(同0.005%)が、今も頭痛や倦怠感、関節痛などの症状から回復していないことが分かった。

検討会では、慢性的な痛みなどはあるが検査では異常が認められない「機能性身体症状」が、接種をきっかけに起こった可能性が高いとする従来の見解を維持。因果関係の究明には、さらなる科学的知見の収集が必要だとした。積極的な接種勧奨は、引き続き差し控えることが決まった。

一方、健康被害の救済申請については、速やかに審査する方針が定められた。

Q 救済の内容は。

A ワクチン接種の健康被害は従来、因果関係を完全に否定できるものでなければ、救済の対象とされてきた。この考え方は今回も変わらない。ただし、子宮頸がんワクチンは、定期接種だと入院、通院を問わず救済されるのに対し、任意接種は入院相当の場合に限られるなどの差があった。このため厚労省は、定期接種にそろえた水準の救済を予算事業で行うこととしている。

9月18日には、定期接種を受けて救済を申請していた7人の検証が行われ、6人に医療費などの支給が決定。24日には、任意で接種した11人の救済も認められた。他の申請者についても順次、審査が進められる。

さらに厚労省は、医療支援の充実や相談窓口の設置、進級・進学など教育面を含む生活支援の強化に取り組む方針も示している。

子宮頸がんワクチン 子宮頸がんの主な原因であるヒトパピローマウイルス感染の約50~70%を防ぐもの。検診との併用で予防効果が高まるとされる。世界保健機関(WHO)が接種を推奨し、米、英、独、仏などの先進各国が公的接種として導入。日本では2013年から、小学6年~高校1年の女子を対象に定期接種化された。なお、同がんは国内で年間約1万人がかかり、約2700人が死亡。40歳までの女性が亡くなるがんの2位となっている。

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