ここが知りたいQ&A
公明新聞:2015年9月28日(月)付
現在実施されている「国勢調査」と、先の通常国会で成立した公認心理師法によって実現する「心理職の国家資格化」について解説する。
国勢調査
国内全ての人が対象。国の施策に必要な基礎情報となる。初のオンライン調査は、回答数が目標を大きく上回る。
Q 現在、国勢調査が行われているが、どういう調査か。
A 国勢調査は、10月1日現在、国内に居住する全ての人と世帯を対象に、国が行う大規模な調査だ。1920年以降5年に1回行われ、今回で20回目になる。調査では、性別や国籍、家族構成、仕事の有無など、17の質問が用意されている。
調査結果は、衆院小選挙区の確定や地方交付税の配分算定など、国の施策に必要な基礎情報となる。防災対策や過疎対策、医療や介護のあり方など、地域の実態に合わせた施策づくりに役立てるほか、個人情報を除いて企業や研究機関にも提供されるなど、幅広く活用される。
また、5年前の居住地も調査されるので、東日本大震災の被災地の人口移動も把握でき、注目されている。国民は、調査への回答が法律で義務付けられている。
Q 今回から調査方法が変更されたと聞いたが。
A 初めて全国的にパソコンやスマートフォン(スマホ)を使ったオンライン調査が導入(前回は東京都で試験実施)され、全国どこからでもインターネットで回答できるようになった。
これを受け、回答に必要なIDとパスワードの入った書類が全世帯に配られ、回答受付が進められてきた。すでに、20日で終了したが、総務省が目標としていた約1千万件(全世帯の約2割)を大きく上回る、1917万件余りの回答が寄せられ、関心の高さをうかがわせた。
インターネットで回答しなかった世帯には、従来と同様に紙の調査票が配布される(30日まで)。来月1日から7日の間に調査員に調査票を提出するか、郵送(一部自治体を除く)で提出することになる。
Q オンライン調査が導入された背景は?
A 近年、共働きや単身世帯の増加に加え、オートロックマンションの普及、プライバシー意識の高まりなどで調査員の訪問が難しくなり、回答の回収率が低下傾向にあった。こうした状況を打開しようと、オンライン調査が導入された。
ただ今回、インターネット回答に必要な書類が封をされずに、郵便受けからはみ出た状態で投函される事例が相次ぎ、総務省に苦情が寄せられた。今後、不正アクセス防止などセキュリティー対策にも万全を期す必要性が指摘されている。
心理職の国家資格化
「公認心理師」を創設。活躍の場が広がる中、法律で定められた専門職として質の高い人材の確保に期待が高まる。
Q 心理職の国家資格が初めて創設されるそうだが。
A 医療や教育の分野で、カウンセリングなど心理的ケアに当たる専門職に、国家資格「公認心理師」を創設する法律が、今月9日に成立した。
公認心理師になるには、国家試験に合格する必要がある。受験資格は、大学で心理学などを学んだ上で、大学院で必要課程を修了した人や一定期間の実務経験のある人に与えられる。試験内容など詳細は、厚生労働、文部科学両省を中心に検討されるが、遅くとも2018年には試験が行われる見通しだ。
Q 創設された背景や期待される効果は?
A うつ病など心の病を抱える人は100万人を超え、自殺原因の一つとされるなど深刻な社会問題になっている。心理職は、医療現場で、認知行動療法の普及に向けた「チーム医療」の柱の一つとして、重要性が指摘されている。近年、学校や職場、被災地でも心のケアに当たるなど、心理職の活躍の場は広がっている。
現在、国内には、臨床心理士や認定心理士などをはじめとして、心理職に関係する民間の資格は数多い。ただ、専門職として豊富な知識が要求される資格から、簡単に取得できる資格まで難易度に差があり、“玉石混交”の状態だ。このため、ケアを必要とする人から、「どの資格者に依頼すべきか分からない」などの声が上がっている。
公認心理師が誕生すれば、医師や看護師らと同様に法的な専門職として認められることになる。また、心理職の社会的評価の確立や待遇向上が進み、専門的知識や技術を持った質の高い人材の確保につながることが期待される。
一方、国家資格のない人は「心理師」の名称は使用できない。ほかの民間資格と区別されることで、資格の価値が保たれる。
Q 公明党の取り組みは?
A 長年、心理職の関係団体との意見交換を通して国家資格化の要望を受け止めてきたほか、古屋範子副代表(衆院議員)が国会質問で法整備の必要性を訴えてきた。昨年の通常国会に6会派で法案を提出したものの、衆院解散のため審議未了、廃案になったが、今年7月に4会派で再提出、全会一致で成立した。
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