大災害時 法テラスで無料相談

公明新聞:2015年7月29日(水)付

東日本大震災の経験生かす
今国会に改正案
首都直下などに備え

東日本大震災の経験を踏まえ、大規模災害時に被災者なら誰でも日本司法支援センター(法テラス)で無料の法律相談を受けられるようにする総合法律支援法改正案が今国会に提出されている。被災者への司法支援の必要性について、現場の声をもとに紹介する。

被災者が大震災後に経験した「最も重大な法律問題」各地に深い傷痕を残した東日本大震災。被災者の多くは大切な人を失った悲しみも癒えぬまま、住まいや二重ローン、相続など多種多様な問題に直面した。

発災直後から被災者の法律相談に乗ってきた倉林千枝子弁護士は、「電話回線は常にパンク状態。家屋の倒壊や解雇で収入が絶たれたなど、明日の生活をどうするかという相談が多かった」と振り返る。被災者の苦悩を少しでも取り除こうと、法テラスも法律の側面から被災者に寄り添った。

しかし、相談者が司法支援を受けるには家族構成や収入、資産などの「資力要件」を伝える必要があった。このため「つらい記憶を思い出したくない」「公的文書がどこにもない」といった理由から、援助を受けられないケースもあったという。

「『非常時に聞くことか!』と怒って帰られた方もいた」―。震災後に被災地出張所として開設した法テラス東松島(宮城県東松島市)の飛嶋章主幹は、当時の状況をこう話す。

事態を重く見た公明党は、法テラスの利用条件を緩和し、被災者が資力要件に関係なく無料法律相談や弁護士費用の立て替えが受けられる特例法(議員立法)の2012年3月の成立をリード。資力要件を外したことで、「被災時の居住地域の確認だけとなり、利用者と職員の負担が減った」(飛嶋主幹)という。

こうした被災地での経験を踏まえ公明党は、首都直下地震や大規模な豪雨被害に備える観点から、法テラスに災害対応の枠組みを確立しておく必要性を痛感。昨年6月には党法曹養成に関するプロジェクトチームが、大規模災害の被災者が一定期間、資力に関係なく法律サービスを受けられるよう総合法律支援法の改正を谷垣禎一法相(当時)に要望していた。

今回の改正案には、大規模災害の発生から1年を超えない範囲で資力に関係なく、生活再建に必要な法律相談を無料で受けられる仕組みが盛り込まれた。

東日本大震災では、手間や費用が掛かるといった問題から、法律に関する重大な問題を抱えていながら、弁護士や司法書士など法律専門家に相談した被災者の割合が3割に満たないとの調査結果も明らかになっている。関係者からは「災害はいつ起こるか分からない。その意味で、法改正の意義は大きい」など、早期成立を求める声が相次いでいる。

公明 特例法延長リード

東日本大震災の被災者を支援するため、法テラスの無料相談などを定めた特例法。12年4月から15年3月までの時限立法だったが、3年間の延長を主導したのも公明党だ。

法案が提出された12年3月、衆院法務委員会で提案者を代表して趣旨説明した大口善徳衆院議員は、被災者の状況によっては「(特例法の)延長も当然検討されるべき」と強調。

期限切れを前にした今年2月には山口那津男代表が参院本会議の代表質問で、東日本大震災における法テラスでの法律援助事業の延長に関し、「与野党を超えてしっかり整備をしていくことも重要」と訴えていた。

被災者が抱える問題は時間とともに変化する。公明党は一人一人の「人間の復興」が成し遂げられるよう、今後も全力を挙げる。

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