国民守る平和安全法制

公明新聞:2015年7月19日(日)付

北側一雄副代表北側一雄副代表

衆院通過で北側副代表に聞く

国民を守るための切れ目のない安全保障体制を整備するとともに、日本の国際貢献を進めるための「平和安全法制」の関連法案【別掲】が、16日の衆院本会議で可決、参院に送付されました。法制整備の必要性や今後の取り組みなどについて北側一雄副代表に聞きました。

Q. 法整備なぜ必要?

厳しさ増す安全保障環境。 日米同盟強化で抑止力高める

―法制整備の必要性について、あらためて語ってください。

北側一雄副代表 日本の安全保障環境が大きく変化し、厳しさを増し平和安全法制の全体像ているのは誰の目にも明らかです。とりわけ科学技術の進展に伴い軍事技術が著しく高度化しています。例えば北朝鮮の弾道ミサイルの関連技術は、ここ10年で飛躍的に向上しています。現在では、日本全域を射程に収める「ノドン」ミサイル数百発を配備しているほか、射程1万キロメートルに及ぶミサイルの発射実験にも成功し、精度も高くなっています。核実験も3回実施しており、核弾頭を積んだ弾道ミサイルの出現も現実味を帯びつつあります。一方、中国の軍備増強と海洋進出は著しいものがあります。また、国際テロも拡散しています。

こうした状況を踏まえると、日米防衛協力体制の実効性をより一層向上させ、切れ目のない防衛体制を構築しておく必要があります。それにより抑止力が高まり、紛争を未然に防止することができます。

―国際社会への平和貢献を進める理由は。

北側 経済のグローバル化に伴い、いまや国際社会の平和と安全は日本の繁栄に直結します。多くの日本人が海外で活躍しており、国際社会の平和と安全に貢献していくことはとても大事なことです。

これまで、日本は国際平和協力の場面では20年余りにわたって自衛隊がその役割を担ってきました。この経験と実績を踏まえた法制をあらためて整備します。

国民を守る切れ目のない法制を築き、平和貢献にも努力する。それとともに平和外交を尽くしていくことが大切だと思っています。

Q. 審議は十分か?

質疑は116時間超える。主な論点出尽くし、機熟す

―「熟議なき多数決」との報道があります。

北側 安保法制の議論は昨年5月に始まり、同年7月の閣議決定、その後の法案作成に至るまで与党で25回の協議を重ねました。一つの法制で、これほど詰めた議論をしたこと自体が異例です。毎回、内容も詳しく公表しました。

衆院に法案が提出されてからは2カ月近く質疑を重ね、審議時間は116時間を超えました。重複した質問が繰り返されるなど主な論点は出尽くし、採決に熟した状況に至ったと考えます。手続きに瑕疵(誤り)はなく「熟議なき」との批判は的外れです。

―国民の理解が不十分との声もあります。

北側 安全保障政策は日常性に乏しいテーマかもしれませんが、国と国民をどう守るかという国政上の極めて重要な課題です。衆院では「なぜ法整備が必要なのか」という議論が少ない印象があり、「国民を守る」という観点からの論議が必要です。

これから参院での審議が始まります。政府には分かりやすい説明に努めてもらいたいし、私たちもあらゆる機会を通じて国民の理解を得られるよう説明責任を果たします。

議論を深めるという点では、維新の党が法案全体に対する独自案を提出したことは評価されます。安保環境が変化する中、日米防衛協力体制の強化が必要という問題意識は、われわれと一致しています。

一方、民主党には、政府案を単に批判するだけでなく、責任ある政党として「日本の安保法制はこうあるべき」との対案を具体的な法案として示してもらいたい。

Q. 憲法違反なのか?

新3要件が厳格な歯止め。他国防衛は認めていない

―「憲法違反」との指摘に対しては。

北側 そもそも憲法には「自衛の措置」(武力行使)に関する記述はありません。憲法9条の下で武力行使がどこまで許されるかの基準は政府と国会の議論で形成されてきました。憲法制定当時、政府は自衛権を否定するような答弁もしていました。

しかし国際情勢が変化する中、昭和29年(1954年)に自衛隊が創設され、同35年(60年)に日米安保条約が改定され、政府の憲法解釈も確立されてきました。ところが、今も憲法学者の多くは自衛隊の存在が違憲と言っています。

政治家は現実に国民の命を守る責務があります。これまで政府は、戦争放棄・戦力不保持を定めた憲法9条と、前文の平和的生存権、13条の幸福追求権に照らし、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態」に限り、自衛の措置を認めてきました。

この政府見解の根幹部分と論理的な整合性を保ちつつ、安保環境が厳しさを増す中で、自衛の措置の限界を突き詰めた結果として定めたのが新3要件【図参照】新3要件です。

他国防衛を目的とする集団的自衛権は認めておらず、憲法に適合していると考えますし、内閣法制局もそのように答弁しています。

―政府の恣意的な運用を危惧する声もあります。

北側 新3要件は法案に明記されており、全てに合致しなければ自衛の措置は発動できません。その際、国会承認の対象となる対処基本方針には第1要件に当たる具体的な事実だけでなく、第2要件の「国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない」理由の明記が義務付けられました。

さらに、実力組織である自衛隊の海外派遣に当たり公明党は、(1)国際法上の正当性の確保(2)国会の関与など民主的統制(3)自衛隊員の安全確保―の3原則を掲げて法案に盛り込むなど、恣意的な運用を防ぐ何重もの厳格な歯止めを掛けました。

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