隙間なく日本を防衛

公明新聞:2015年7月17日(金)付

討論する遠山氏=16日 衆院本会議場討論する遠山氏=16日 衆院本会議場

平和安全法制が衆院通過
3原則の下、国際貢献進める
討論で遠山氏が強調

衆院は16日の本会議で、国民を守るための切れ目のない安全保障体制を整備するとともに、国際社会の平和と安全へ日本らしい貢献を進める「平和安全法制」の関連法案を自民、公明の与党両党と次世代の党などの賛成多数で可決し、参院に送付した。維新の党の独自案は否決された。民主、共産、社民3党は討論終了後に退席。維新は独自案の採決後に退席した。

法案は、自衛隊法改正案など10本の改正法案を一つにまとめた平和安全法制整備法案と、新法の国際平和支援法案の2法案で、内容は日本の安全に関する分野と国際貢献に関する分野に分けられる。

日本の安全に関する分野では、深刻度の低い事態から、日本に対する武力攻撃が発生した武力攻撃事態まで、隙間なく対処できる法制を整備した。

自衛隊の武力行使については、「自衛の措置」の新3要件に該当した自国防衛にのみ許され、もっぱら他国防衛を目的とした集団的自衛権の行使はできないとする政府の憲法9条解釈の根幹は堅持されている。

一方、国際社会への貢献では、一般法となる国際平和支援法案が、自衛隊を海外に派遣するための条件として(1)国際法上の正当性(2)国民の理解と民主的統制(3)隊員の安全確保――の3原則を定め、特に(2)に関して例外なき国会の事前承認を義務付けている。

採決に先立つ討論で公明党の遠山清彦氏は、「日本は戦後70年間、憲法の平和主義の下、自国防衛のための専守防衛を貫き、他国に脅威を与える軍事国家とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してきた」とし、「この平和国家路線は、今回の法制で何ら変わるわけではない」と訴えた。

また、遠山氏は、武力行使が認められる存立危機事態について、安倍晋三首相や横畠裕介内閣法制局長官が一貫して(1)攻撃国の意思、能力(2)事態の発生場所(3)事態の規模、態様、推移(4)わが国に戦禍が及ぶ蓋然性(5)国民が被ることとなる犠牲の深刻性、重大性――などを判断要素として示していることを指摘。その上で、事態認定の国会承認に関し「公明党が強調してきた民主的統制としての国会の事前承認の原則は確保されており、かつ、政府は国会の判断の基礎となる十分な情報開示、提供が義務付けられている」と述べ、事態の認定において、政府が恣意的な判断、運用ができない歯止めが効いていると主張した。

最後に遠山氏は、「憲法の下に、国民を守る責任は、政府だけにあるわけではなく、議会制民主主義の日本においては、国会もその責任を共有している」と強調。「日本の安全保障を確保し、国際平和のための外交努力においては、与野党を超えて、国会議員全員が自覚と責任を持つべきだ」と力説した。

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