障がい者の在宅就労に“光”

公明新聞:2015年6月22日(月)付

在宅就労の可能性を実感し、喜び合う西村さんと秋野氏(左端)ら在宅就労の可能性を実感し、喜び合う西村さん(左から3人目)と秋野氏(左端)ら

「働けるのは夢のよう」
福岡・八女市
熊本市

「働きたい」という障がい者の切実な思いに一筋の光が差した。今年4月、知識や技術の習得をしながら障がい者の就労を支援する厚生労働省の「就労移行支援事業」を在宅で利用することが認められたのだ。筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の西村富夫さん(57)は、病気の進行とともに働くことを諦めかけていたが、今回の制度改正によって在宅就労の道が開けた。その実現には、目の前の一人に希望を送りたいと願う公明議員のネットワークがあった。

支援事業の対象拡大

公明のネットワークで推進

西村さんは福岡県八女市で妻・真紀子さん(52)と暮らしている。2012年10月、ALSを発症。わずか数年の間に筋肉は急激に衰え、理学療法士の仕事を辞めざるを得なくなった。それでも「働きたい」という意欲を持ち続け、市役所に相談。だが「今の状態では就労は難しい」との返答だった。

病気が進行し、徐々に自信を失い、働くことを諦めかけていた今年5月、転機は訪れた。八女市議会公明党の三角真弓議員の紹介で、秋野公造参院議員と出会った。そこで秋野氏から、熊本市のNPO法人「在宅就労支援事業団」(田中良明理事長)のことを紹介され、「きっと働けますよ」と励まされた。自分が働く姿は想像できなかったが、その言葉に背中を押され、同事業団を訪ねてみようと決意した。

同事業団は、在宅就労を希望する障がい者を登録し、企業などとの橋渡し役を担っている。事業主から仕事を受注し、能力や適性に応じて仕事を提供する。また、障がい者の就労を目的として、知識や技術の習得と能力の訓練を行う「就労移行支援事業」にも力を入れている。しかし、これまで同事業を在宅で行う場合、障害福祉サービスの報酬対象として認められていなかったため、重度の障がい者などから相談が来ても断るしかなかった。

田中理事長は、こうした課題を党熊本市議団の藤永弘議員に訴えた。実情を重く受け止めた藤永議員は、すぐに秋野氏に相談し、秋野氏と同事業団を訪れた。それから秋野氏は、田中理事長と一緒に何度も厚労省を訪れ、現場で挙がっている課題を粘り強く訴えてきた。その結果、今年4月から在宅における就労移行支援事業も障害福祉サービスの報酬の対象とする制度改正が行われた。

田中理事長は「重度の障がいがあっても就労意欲がある人はたくさんいる。これで今まで光の当たらなかった人たちに光が当たる」と、今回の制度改正の意義を強調する。実際、4月から同事業団に多数の問い合わせがあり、約160人の新たな就労希望者が登録した。

西村さん夫妻は5月29日、秋野氏らと同事業団を訪問。西村さんは早速、パソコンを使ってテストの採点をする仕事を体験。比較的自由に動かすことができる右手の親指で、マウスを操作しながら「これならできる。楽しいです」と笑顔を見せた。

この日、西村さんは在宅就労希望者として同事業団に登録。今後、自宅で就労移行支援を受けることが決まった。西村さんは「働けるようになるなんて夢のような気分。秋野さんたちには、とても感謝している」と語っていた。

“一人の声”に耳を傾ける公明議員のネットワークが、障がい者就労の新たな可能性を開いた。

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