「経済の好循環」動き出す

公明新聞:2015年6月17日(水)付

企業収益、賃上げ拡大

企業収益の拡大が賃金や個人消費の増加につながり、それがさらに企業収益を押し上げる「経済の好循環」が動き始めた。それを裏付けているのが、最近の経済指標の相次ぐ改善。公明党は、好循環の流れを確実にするため、成長戦略を強力に進めていく方針だ。

各種指標が相次ぎ改善 公明、成長戦略で後押し


大企業を中心に収益の改善が鮮明だ。上場企業の2015年3月期の連結経常利益(企業グループ全体の事業活動で稼いだ利益)は、7年ぶりに過去最高を更新した。

改善が相次ぐ経済指標それを端的に示しているのが株価だ。民主党政権時代に8000円台で低迷していた日経平均株価は、約15年ぶりに2万円台を回復。5月末から6月上旬にかけては、12日連続で上昇し、歴代3位の記録と並んだ。発行企業の市場価値を示す時価総額は、東証1部で約600兆円と約25年ぶりに過去最高となった。

業績改善や株価上昇を後押ししてきたのが自公政権の経済政策だ。大胆な金融緩和で円高が是正された結果、自動車や電機など円安が有利に働く輸出産業を中心に収益拡大への期待が高まり、株が買われた。

企業収益の拡大を背景に、賃上げや雇用情勢の改善も進む。連合がまとめた春闘の回答状況(6月1日時点)では、定期昇給を含む賃上げ率が2.23%と昨年を上回った。従業員300人未満の中小企業でも、1.90%と昨年より高い。

一方、4月の完全失業率は、3.3%と18年ぶりの水準にまで低下。有効求人倍率は、1.17倍と約23年ぶりの高水準だ。

こうした中、4月の毎月勤労統計調査(速報)では、物価変動の影響を除いた実質賃金の指数が前年同月比で2年ぶりに上昇に転じた。「消費増税から1年がたち統計上の影響がほぼ消えたほか、企業業績の改善や人手不足による賃上げも寄与した」(「日経」)格好だ。

個人消費でも、4月の小売業販売額が5.0%増と4カ月ぶりにプラスになるなど、ここにきて明るい材料が出ている。

15年1~3月期の国内総生産(GDP)改定値が速報値から大幅に上方修正されるなど、日本経済が回復に向かっているのは確かだが、その実感は乏しく、地域の隅々に届いていない。

これを踏まえ、公明党は6月4日、政府に成長戦略を提言。「地域の経済を支えるにも、厳しい国際競争を勝ち抜くにも、基盤となるのは人材」とし、女性や若者の活躍促進や非正規雇用の処遇改善などを申し入れた。公明党は、今回の提言を6月末に政府が取りまとめる「日本再興戦略」改定版に反映させる方針だ。

消費増税の影響払しょく

専修大学教授 野口 旭氏

昨年4月の消費増税で予想以上に消費が落ち込んだが、昨年10月に日銀が実施した追加金融緩和で円安、株高がさらに進んだ。

昨年末から今年にかけて、日本経済は、急激に改善しているという印象が強い。

特に、失業率が下がっているのが大きい。これまで低迷していた企業の設備投資や、円安でも伸びないと言われた輸出が持ち直してきたのも明るい材料だ。日本経済は、消費増税の影響を払しょくし、元の成長軌道に戻って改善を続けている。

今後は、経済の好循環を確実にしていくため、個人消費をどう伸ばすか、知恵を絞らなければならない。

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