邦人の安全確保に総力
公明新聞:2015年2月3日(火)付
政府と自民、公明の与党両党は2日朝、過激組織「イスラム国」に後藤健二さんが殺害されたとみられる映像が公開されたことを受け、臨時の連絡会議を首相官邸で開いた。席上、安倍晋三首相と公明党の山口那津男代表は一連の残虐なテロ行為に対し、「断じて許さない」と厳しく非難。政府・与党が結束し、「テロに屈しない」との断固とした姿勢で、国内でのテロ対策や在外邦人の安全確保などに万全を期す方針を確認するとともに、中東への食糧、医療などの人道支援を継続、拡充させていく方向で一致した。
連絡会議の冒頭、安倍首相は、後藤さんと、同じく殺害されたとみられる映像が公開された湯川遥菜さんの2人に対し、「(出席した)皆さんと共に、哀悼の誠を捧げ、ご冥福をお祈りしたい」と述べた。また、「政府・与党一体となって(救出、解放へ)全力を挙げてきたが、誠に残念、痛恨の極みだ。残虐非道なテロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるため、日本は国際社会と連携していく」と強調した。
山口代表は「テロ集団の行為は残虐極まりない。断じて許すことはできない」と非難。これまでの政府の対応や努力を評価した。
その上で、「テロ集団の挑発的な言動に一歩もひるむことなく、政府・与党一致して対応しなければならない」と力説。政府に対し、在外邦人の保護や情報提供など安全確保の手段を尽くすと同時に、国内ではテロを未然に防ぐための水際対策、重要施設や人が集まる場所の安全に万全を期すよう求めた。
安倍首相は「政府・与党の総力を挙げて日本人の安全を確保する」と述べ、対策を強化する考えを示した。
中東への食糧、医療などの人道支援に関して、安倍首相は「さらに拡充する。テロと戦う国際社会において、日本としての責任を毅然と果たしていく」と表明。山口代表は「これまでわが国が中東地域に行ってきた支援は、人道目的とする伝統あるものだ。これまでの一貫した姿勢を貫いていくべきだ」と応じた。
さらに山口代表は、「政府としてこれまでの対応を国民に説明していく必要もある」として、国会論戦などを通じ「内外に政府の姿勢、首相の断固たる姿勢を丁寧に説明してもらいたい」と要望した。
政府・与党連絡会議に続いて、自民、公明の与党両党は、国会内で「与党シリアにおける邦人拘束事案対策本部」の会合を開いた。政府側から説明を受けた後、与党両党は「テロに屈しないという首相の決意を支えていこう」と申し合わせ、政府に対して、在外邦人の安全確保や国内の警備体制に万全を期すよう、重ねて要望した。
会合後、公明党の井上義久幹事長は記者団に対し、今後の邦人保護のあり方や同様の事案が発生した場合の対応について、「政府の検証を見ていきたい。政府・与党一体となって、体制を強化すべきところはきちんとしていくことになる」と語った。
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