“希望の春”まで支え続ける

公明新聞:2014年11月17日(月)付

千葉君の社会科の学習をサポートするHARUのメンバー=15日 宮城・石巻市千葉君(右端)の社会科の学習をサポートするHARUのメンバー=15日 宮城・石巻市

子どもの夢かなえようと仮設住宅で“学び”手助け
東北大のボランティア団体「HARU」(ハル)

東日本大震災から3年8カ月が過ぎた今も、23万人以上が避難生活を続けている。この厳しい現実に向き合って被災地に密着し、息の長い支援を続ける学生のボランティア団体がある。東北大学の地域復興プロジェクト“HARU”だ。「東北大で学んでいる私たちだからこそ、できることを」と現場へさっそうと飛び出す若者たち。その思いに迫った。


晩秋の三陸の風は冷たい。15日午前10時すぎ。宮城県石巻市にある大橋仮設住宅の集会所には、温かなまなざしで子どもの学習を手助けする3人の大学生の姿があった。「ここには線を引いて」「少し難しいけど大事なところだね」。社会の教科書を持参した高校1年の千葉京介君の質問にじっと耳を傾け、丁寧にアドバイスしていく。

被災地の未来を担うチビっ子とお絵かきをすることも「大学生に勉強を教えてもらうと、進学したい気持ちが高まる。将来は法医学者になりたい」と夢を語る千葉君を前に、大学2年の福田悠華さんは「成長する姿を見られるのが楽しい」とほほ笑む。やって来る子どもの年齢に合わせて、折り紙やお絵かきで遊ぶこともしばしば。部屋いっぱいに響く明るい声。この日、活動に励んだ3人の表情は充実感に満ちあふれていた。

HARUは、震災直後の3月24日に学生有志らが集結して発足。「東北大生の強みを生かした復興支援を」と被災した農地やいちご農家の支援など、多彩な活動を展開してきた。震災4年目の現在は「教育」と「足湯」のボランティアを柱に、約20人の学生が奮闘。「被災地のため、とにかく役立ちたくて」(山口佳太さん)と多くの1年生も活躍している。

メンバーの山本実季さんは、深い悲しみを胸に秘めながら、同県山元町の仮設住宅で“出張足湯”の活動に精を出す。

高校1年の時、同町に暮らしていた祖母を津波で失った山本さん。今でも目を閉じれば、祖母の優しい笑顔がよみがえるという。「大好きなおばあちゃんにしてあげれなかったことを、仮設のおじいちゃん、おばあちゃんにするつもりで頑張っている」ときっぱり。将来は、祖母と同じ保育士になることを固く誓う。

HARUに込められたのは「厳しい冬の寒さに耐えれば、春は来る。夢も希望も幸せも必ず東北の地にやってくる」との思い。学業の傍ら、被災地のためにと汗をかき、復興に寄り添う学生たちを応援したい。

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