伝えたい! がんの正しい知識

公明新聞:2014年9月10日(水)付

大原中学校の「生命の授業」で説明する栗原代表大原中学校の「生命の授業」で説明する栗原代表

全中学校で「生命の授業」
埼玉・熊谷市

埼玉県熊谷市では8月末から、乳がん検診の受診率向上などの啓発活動を進める「くまがやピンクリボンの会」(栗原和江代表)と協力して行う「生命の授業」を、市立の全中学校と、希望する小学校で実施している。公明党の三浦和一、林幸子の両市議はこのほど、大原中学校(浅見信行校長)の授業を見学した。市によると、がん体験者によるがん教育は県内初で、反響を呼んでいる。

くまがやピンクリボンの会と協力 体験者が語り反響呼ぶ

公明、教育の充実を推進

授業は「あなたに伝えたい『生命の授業』~がん体験者が話すがん教育~」と題し、乳がん治療中の栗原代表、子どもを小児がんで亡くした大﨑幸恵さん、心のケアを担当する大久保由美子さんの3人が講師。

「私は7年前に乳がんと宣告されて、現在も治療中です」。栗原代表は、自身の体験を通してがんについて説明。「2人に1人は、がんになると言われています。ちょっと隣の人の顔を見てください。今ね、顔を合わせたどちらか1人が将来、がんになるかもしれないんですよ」と呼び掛けると、生徒たちが見つめ合い、ざわめいた。

さらに、がんは1センチの大きさになるまで10年かかるとして、検診、早期発見の重要性を訴えた後、「くまがやピンクリボンの会」の活動や、がん患者や体験者への差別などについて解説した。

次に大﨑さんが、小児がんによって小学1年生で亡くなった娘・利枝さんの闘病の様子を語り、「自分や親、兄弟、隣の友達、全ての命を大切にしてください」と訴え、大久保さんの心と体の話で締めくくられた。

生徒の代表は「がんについて正しい知識を身に付けることが必要だと思った。家に帰ったら、きょうの内容を家族に話し、検診の受診についても聞いてみようと思う」と感想を語った。

「生命の授業」は、市が市民と協働で課題解決を図る「熊谷の力」事業に、同会が応募し、採用された単年度事業。市などと連携して作成した冊子「がんってなぁに?」も、授業を受けた生徒や児童、教員に配布されている。

くまがやピンクリボンの会のメンバーらと懇談する林、三浦の両市議公明党の関口弥生、林の両市議も同会の会員。市議会では、2013年9月定例会などで林市議が、がん教育の充実を訴え、現場の教師の負担も考慮して、がん経験者などの民間の力を活用するよう提案するなど、後押ししてきた。

見学を終えた市議らは「がん教育の重要性を再確認した。今後も推進し、がん検診の受診率向上にも全力で取り組んでいく」と語っていた。

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